2014年1月25日土曜日

アジアのサルコペニアコンセンサス

アジアのサルコペニアコンセンサスに関する情報が、以下の論文に掲載されていました。下記HPで全文PDFで見れます。

Arai H, Akishita M, Chen LK. Growing research on sarcopenia in Asia. Geriatr Gerontol Int. 2014 Feb;14 Suppl 1:1-7. doi: 10.1111/ggi.12236.

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ggi.12236/pdf

Geriatr Gerontol Intのこの号自体がアジアのサルコペニア特集となっていて、上記論文に限らず、全文PDFで読めます。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ggi.2014.14.issue-s1/issuetoc

アジアのサルコペニアコンセンサス論文自体はまだ出版されていません。
Chen LK, Liu LK, Woo J et al. Sarcopenia in Asia: consensus report of the Asian Working Group for Sarcopenia. J Am Med Dir Assoc (in press).

しかし、上記論文にアジアのサルコペニアコンセンサスに関する内容がいくらか記載されていましたので紹介します。

スクリーニングのターゲットは、地域在住高齢者および以下の状況にある高齢者です。最近の機能低下、機能障害の存在、1ヶ月で5%以上の意図しない体重減少、抑うつ気分もしくは認知障害、繰り返す転倒、低栄養、慢性疾患:慢性腎不全・慢性閉塞性肺疾患・糖尿病・慢性腎疾患・結合組織疾患・結核・その他の慢性消耗性疾患。ターゲット年齢は60歳もしくは65歳以上です。

歩行速度と握力でスクリーニングをします。カットオフ値は歩行速度0.8m/s、握力男性26kg、女性18kgとしています。筋肉量のカットオフ値はDEXAとBIAで分けています。四肢骨格筋量を身長で2回割ったappendicular muscle mass/ht2でカットオフ値を出しています。DEXAでは男性7.0kg/m2、女性5.4kg/m2、BIAでは男性7.0kg/m2、女性5.7kg/m2です。

筋肉量、筋力、身体機能でサルコペニアの診断を行うのは、EWGSOPと一緒です。歩行速度のカットオフ値はEWGSOPと同じですが、握力のカットオフ値はEWGSOPよりやや低めになっています。筋肉量はIWGSより若干低めです。

サルコペニアコンセンサス論文を読めていないのでまだ判断はしにくいですが、今後は日本でサルコペニアの診断をする際にも、この基準を用いていくことになるのかと思います。DEXAやBIAができない場合には診断できないのかもしれませんが。

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