2013年12月14日土曜日

リハビリテーションに役立つ栄養学の基礎

PT・OT・ST・看護師の学生向けの栄養、リハ栄養の教科書として作成した、栢下淳・若林秀隆編著「リハビリテーションに役立つ栄養学の基礎」、医歯薬出版が出版されました。

http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=214380

今まで学生向けではない卒後・生涯学習としてのリハ栄養の書籍は、何冊か執筆してきました。しかし、学生向けの栄養・リハ栄養の基礎を学べる教科書がないこともあり、PT・OT・STの卒前教育で、栄養を学ぶことはほとんどなかったと思います。

「リハビリテーションに役立つ栄養学の基礎」は、管理栄養士の学生向けの教科書ではなく、PT・OT・ST・看護師の学生向けの教科書です。ただし、第2章主な病態の栄養療法と第3章主な疾患の栄養療法に関しては、管理栄養士の学生にも知ってほしい内容です。

PT・OT・ST・看護師の学生向けの教科書ではありますが、すでに臨床で仕事をしているPT・OT・ST・看護師な多職種の方にとっても、栄養・リハ栄養の基礎を学習・復習できる書籍にはなっていると思います。あくまで基礎・初級レベルですが。

ぜひPT・OT・ST・看護師の多くの学校で教科書として採用して、栄養・リハ栄養の講義をしていただけると嬉しいです。PT・OT・ST・看護師にとって、栄養・リハ栄養の基礎は学生時代に学ぶべきことです。栄養ケアなくしてリハなしですので。

ただ、教科書の内容を教えることができる教員の存在も必要です。PT・OT・ST・看護師の教員にも、栄養・リハ栄養の基礎を学習していただければと思います。中には栄養とリハは関係ないとして、栄養やリハ栄養に無関心の方もいますので…。

日本リハビリテーション栄養研究会の会員やリハ栄養に関心のあるPT・OT・ST・看護師の皆様には、ぜひ母校に「リハビリテーションに役立つ栄養学の基礎」を紹介していただればと思います。場合によっては非常勤講師もお願いしますね(笑)。

目次

序章 リハビリテーションにおける栄養知識の重要性 1.栄養面から
   1 高齢社会と栄養 2 栄養と生命予後
 2.リハビリテーション面から
   1 なぜPT・OT・STに栄養の知識が必要なのか 2 リハビリテーション栄養とは 3 ICFと栄養
第1章 栄養の基礎
 1.栄養補給ルート
   1 栄養投与経路 2 経口摂取 3 経管栄養 4 経静脈栄養
 2.エネルギー代謝
   1 エネルギー消費量 2 基礎代謝量 3 身体活動レベル
   4 健康づくりのための身体活動基準2013
 3.5大栄養素の役割
  1)たんぱく質
   1 消化・吸収 2 代謝 3 アミノ酸 4 食品中の含量 5 必要量の考え方
   6 低栄養の判定
  2)脂質
   1 消化・吸収 2 代謝 3 リポたんぱく質 4 必要量の考え方 5 食品中の含量
  3)炭水化物(糖質・食物繊維)
   1 糖質 2 食物繊維 3 アルコール
  4)ビタミン
   1 ビタミンの代謝と働き 2 必要量の考え方
  5)ミネラル
   1 多量ミネラル 2 微量ミネラル
 4.運動時の栄養
   1 リハビリテーションを行う患者の必要栄養量 2 栄養素の必要量の考え方
   3 リハビリテーションと栄養素の働き
 5.栄養不良時の栄養
   1 栄養不良の分類 2 栄養不良時の代謝とリハビリテーションの留意点
   3 栄養不良の評価指標 4 refeeding症候群の予防と栄養管理
 6.侵襲時の栄養
   1 術前の栄養管理 2 術後の栄養管理
第2章 主な病態の栄養療法
 1.低栄養者の栄養管理
   1 低栄養とは 2 飢餓の病態生理 3 マラスムス型,クワシオルコル型,混合型
   4 侵襲下の飢餓の病態生理 5 悪液質の病態生理 6 栄養評価のポイント 7 栄養療法
 2.摂食・嚥下障害
   1 摂食・嚥下障害とは 2 器質的障害の病態生理 3 機能的障害の病態生理
   4 心理的原因の病態生理 5 栄養評価のポイント 6 栄養療法
   7 摂食・嚥下障害への対応
 3.サルコペニア
   1 サルコペニアとは 2 一次性サルコペニアの病態生理 3 二次性サルコペニアの病態生理
   4 サルコペニアの診断基準 5 サルコペニアと虚弱 6 栄養評価のポイント
   7 サルコペニアの栄養療法 8 サルコペニア肥満の栄養療法
   9 二次性サルコペニアへの対応:リハビリテーション栄養
 4.ロコモティブシンドローム
   1 ロコモティブシンドロームとは 2 ロコモティブシンドロームの病態生理
   3 ロコモティブシンドロームの診断基準 4 栄養評価のポイント
   5 ロコモティブシンドロームの栄養療法 6 ロコモティブシンドロームのトレーニング
 5.メタボリックシンドローム
   1 メタボリックシンドロームとは 2 日本のメタボリックシンドロームの診断基準
   3 メタボリックシンドロームの病態生理 4 栄養評価のポイント
   5 メタボリックシンドロームの栄養療法
第3章 主な疾患の栄養療法
 1.脳卒中
   1 病態生理と治療 2 脳卒中の種類 3 機能障害と機能訓練 4 栄養評価のポイント
   5 栄養療法 6 栄養ケアプラン
 2.誤嚥性肺炎
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 3.がん
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 4.脊髄損傷
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 5.大腿骨近位部骨折
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 6.下肢切断
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 7.関節リウマチ
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 8.慢性閉塞性肺疾患
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 9.慢性心不全
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 10.廃用症候群
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 11.褥瘡
   1 病態生理と治療 2 機能障害と機能訓練 3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
第4章 栄養関連事項
 1.NSTの実際
   1 目的 2 栄養評価の指標
 2.アルコールの影響
   1 代謝 2 疾患との関連 3 含有量
 3.タバコによる影響
   1 タバコに含まれる有害物質 2 タバコによる代謝の変化 3 タバコと疾患の関係
   4 タバコと低栄養

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