2013年6月28日金曜日

肝疾患運動療法ハンドブック

森脇久隆監修、肝疾患運動療法ハンドブック、メディカルレビュー社を紹介します。

http://www.m-review.co.jp/book/detail/978-4-7792-1086-0

森脇先生が執筆された「はじめに」を上記HPより引用させていただきます。

肝疾患患者の生活指導では,旧来,安静と栄養が原則とされてきました。安静は肝血流量を増やすので,肝臓の損傷を修復する過程を支持するうえで当然の指導です。また,肝臓は各種栄養素代謝の中心臓器であるため,原因を問わず肝疾患では栄養障害を伴います。たとえばたんぱく質・エネルギー低栄養状態が高頻度に合併する肝硬変患者さんに栄養サポートが推奨されるのも,病態に即した理論どおりです。
しかし,近年の肝疾患はその病像がかなり変わってきました。その1つは生活習慣病に伴う非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の増加です。また肝硬変患者さんといえども肥満を呈する方が増えてきました。肝硬変のたんぱく質低栄養はほぼ不変であるため,いわゆるサルコペニア肥満を呈することになります。このような患者さんの日常生活指導は従来の範疇に収まるものではなく,簡単にいえば,肥満の栄養指導と安全な範囲での運動処方が推奨されるべきでしょう。
本書は,病像を変えつつある肝疾患患者さんの,特に運動療法に焦点を当て,現在最先端で臨床・研究に携わる先生方が共同執筆されたものです。肝疾患治療に新しい時代を切り開く書籍として,専門医療からプライマリケアまで幅広い領域の医師・コメディカルの方々にお読みいただければ幸いです。


以上、引用です。腎臓リハの重要性はだいぶ広まってきましたが、肝臓リハや肝疾患の運動療法の重要性はまだまだこれからです。今でも肝疾患=安静という対応のために、著明なサルコペニア(二次性で疾患、栄養、廃用の影響)を認める方もいます。

この書籍は、肝疾患=安静という昔の常識をくつがえすものです。非代償性の重篤な肝硬変の場合には運動療法の実施は困難だと思いますが、肥満や脂肪肝がNASHやNAFLDの一員である以上、むしろ運動療法が肝疾患の治療となります。

代償性の肝硬変では、有酸素運動もレジスタンストレーニングも行うべきです。同時にBCAAの摂取を行うリハ栄養で、より改善効果を高めることも期待できます。医学書としては1300円(税別)という破格の値段ですし、多くの方に読んでほしいですね。

目次
第1章 肝疾患における運動療法の意義―インスリン抵抗性に着目して―
第2章 肝疾患に対する運動処方および運動療法の実際
第3章 NAFLD/NASH患者に対する運動療法の重要性
第4章 肝癌手術患者に対する運動療法の効果
第5章 肝疾患患者に対する運動療法を考慮した栄養指導
第6章 運動エネルギー源としてのBCAAと肝疾患における役割

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