2012年4月18日水曜日

Medical Rehabilitation:リハビリテーション栄養

本日、Monthly Book Medical Rehabilitation No143として、「リハビリテーション栄養―栄養はリハのバイタルサイン―」が出版されました。今回、私が編集を担当させていただきました。

http://www.zenniti.com/f/b/show/b01/446/zc01/3.html

下記の目次のように、多くは日本リハ栄養研究会のメンバーに執筆依頼させていただきました。ぜひ多くの方に見ていただければと思います。よろしくお願いいたします。

目次

急性期病院における栄養サポートとリハビリテーションの実践近森 正幸
スタッフを病棟に配属して,業務の標準化で質を保ち,電子カルテによる情報交換で情報を共有することで,必要な患者すべてに適切な栄養サポートとリハを行うことができる.
リハビリテーション栄養アセスメント若林 秀隆
リハ栄養とは,栄養状態も含めてICFで評価を行ったうえで,障害者や高齢者の機能,活動,参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うことである.
リハビリテーション栄養と理学療法飯田 有輝
異化亢進が基盤にある低栄養状態では,不適切な運動負荷により病態の悪化を招く恐れがあるため,運動療法は適切な栄養評価や管理をもとに施行する必要がある.
リハビリテーション栄養と作業療法助金  淳
障害者や高齢者の機能,活動,参加が十分に発揮されるには,ICF評価に基づき,OTによる摂食機能と摂食手段への援助を含む的確な栄養管理が必要である.
リハビリテーション栄養と言語聴覚療法森  隆志
摂食・嚥下障害は低栄養のリスク因子である.摂食・嚥下リハの専門家でもある言語聴覚士は,従来の嚥下評価・訓練法に加え栄養に関する知識を身につけ,リハ栄養の視点から患者を支える必要がある.
リハビリテーション栄養と栄養療法宮澤  靖
高齢者における蛋白摂取量と筋肉量の関係は議論のあるところで,長らく結論づけられていなかったが,筋力トレーニング後,早期に栄養補給したほうが高齢者の筋肉量や筋力の増大効果が大きい.
リハビリテーション栄養と薬物療法林  宏行
サルコペニア,悪液質,食思不振時の薬物療法について,ACE阻害剤,ビタミンDやグレリンなどのペプチドの有効性,安全性を述べる.
脳卒中のリハビリテーション栄養横山絵里子
脳卒中において低栄養は機能障害の原因でもあり,結果でもある.急性期から栄養状態を評価し,適切な栄養管理を行うことがリハの大前提である.
脊髄損傷のリハビリテーション栄養永田 智子
外傷性脊髄損傷の疫学,リハ栄養とアセスメント,高齢者への対応,急性期の嚥下障害,栄養管理について述べた.
関節リウマチのリハビリテーション栄養佐藤 健一
関節リウマチへのリハ栄養は,薬剤による症状のコントロールとともに栄養状態の改善をはかりながら,身体能力の可能な限り維持・向上させていくことである.
骨関節疾患のリハビリテーション栄養坂元 隆一
末梢静脈栄養では,ビーフリード®1,500ml(630kcal)+20%イントラリポス®100ml(200kcal):1,600ml/830kcalが,アミノ酸および脂肪も補給され,推奨される.歯の喪失,義歯不適合による咬合不全,GERD,摂食・嚥下障害等の合併症を念頭に置く.
脳性麻痺のリハビリテーション栄養佐久川明美
脳性麻痺のリハ栄養においては,成長のためのエネルギー蓄積量の追加,筋緊張状態による消費エネルギーを活動係数として加減し,かつ神経機能評価による加減を行う.
神経筋疾患のリハビリテーション栄養野崎 園子
パーキンソン病患者の栄養障害に対し,消化管や精神症状への薬物治療や摂食・嚥下障害対策,補助栄養を行う.複合的な運動機能障害に対しては,運動療法の効果がある.
下肢切断のリハビリテーション栄養百崎  良
下肢切断の多くは末梢動脈疾患に由来し,複合合併症とともに悪液質やサルコペニアを併発している場合が多く,リハ栄養の視点が重要である.
呼吸器疾患のリハビリテーション栄養御子神由紀子
COPDでリハを行うときは栄養療法を併用し,栄養状態を評価していく.そして必要があれば補助栄養を用いながら行うことが重要である.
循環器疾患のリハビリテーション栄養諸冨 伸夫
慢性心不全はその病態から心臓悪液質を起こす.治療には運動療法や栄養療法のみだけでなく,多様な側面から患者を複合的にサポートすることが重要である.
悪性腫瘍のリハビリテーション栄養
大野  綾ほか
がん患者における栄養障害,がん悪液質,サルコペニア,そして各時期におけるリハ栄養の実際について述べる.
廃用症候群のリハビリテーション栄養―廃用性の嚥下障害を中心に―馬渡 敏也
廃用症候群患者のリハでは積極的な栄養療法の併用により「食べられないから低栄養」と「低栄養だから食べられない」という悪循環からの脱却を目指す必要がある.
肝臓・腎臓疾患のリハビリテーション栄養坂田 佳子ほか
肝臓・腎臓疾患において,栄養療法を最大限に生かすためには適切な運動量の確保が不可欠であり,個々の患者に合わせたリハメニューを作成することが重要である.
高齢者のリハビリテーション栄養近藤 国嗣
リハ対象高齢患者に低栄養例は多く,的確な評価と適切な栄養介入が必要である.また,加齢に伴う筋肉量減少(サルコペニア)も重要で,リハと合わせて栄養療法を検討する必要がある.

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