2011年8月11日木曜日

がん悪液質と脂肪・筋肉の生理


がん悪液質と脂肪・筋肉の生理に関する論文が、NEJMに掲載されていました。

Kenneth C.H. Fearon, M.D.: Cancer Cachexia and Fat–Muscle Physiology. N Engl J Med 2011; 365:565-567 August 11, 2011

基本的には以下のサイエンスの論文を解説しています。

Das SK, Eder S, Schauer S, et al. Adipose triglyceride lipase contributes to cancer-associated cachexia. Science 2011 June 16 (Epub ahead of print).

図が一番わかりやすいと思いますが、マウスの実験で、adipose triglyceride lipase(Atgl、中性脂肪分解酵素)を持っているマウスと持っていないマウスで、がん悪液質のときの脂肪と筋肉の量を比較しています。

Atglをもつマウスでは脂肪量が減少して筋肉量も減少しました。一方、Atglを持たないマウスでは脂肪分解酵素がないので脂肪量はあまり減少しません。しかしそれだけでなく筋肉量もあまり減少しませんでした。つまり、脂肪があるほうが筋肉量も保たれる可能性があります。といっても太ればよいというものではありませんが…。

まだまだ今回の知見を臨床応用できる時期ではありませんが、筋肉量と筋力の維持・改善が悪液質にとって重要なことですが、脂肪にも目を向けることでより筋肉量を維持できる可能性があります。

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