2011年4月25日月曜日

科学と非科学のあいだ:質的研究をエビデンスとするために

週刊医学界新聞 第2926号 2011年04月25日に、「科学と非科学のあいだ:質的研究をエビデンスとするために」というテーマで、池田清彦氏(早稲田大学国際教養学部教授)と高木廣文氏(東邦大学教授・看護学部長)の対談記事が掲載されています。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02926_01

科学とは何かということを真面目に考えだしたのは最近ですが、質的研究を行ってから、デカルトの要素還元法だけがすべてではないだろうと感じています。ただ、EBCP、EBMでは要素還元法だけでエビデンスレベルが決まっていると言っても過言ではありません。量的研究と質的研究を比べても、医学領域では圧倒的に量的研究が多いのが現状です。

この記事の中に「構造主義科学論では,科学のパラダイムを真理に還元せず,「科学とは同一性の追究である」というシンプルな定義で,現象の同一性を見いだしそれでうまく説明できれば科学である,と考えます。」とあります。

こう考えれば質的研究も科学・エビデンスの1つと言えます。従来のEBCP、EBMのエビデンスとはやや意味が異なりますが。また、「直感は科学の一部だと考えています」という言葉にもなるほどと感じました。もちろん直感だけでは科学ではありませんが…。

リハビリテーション栄養という概念が、現象の同一性を見いだしそれでうまく説明できていればよいのですが…。ただ、ポパーの反証可能性がなければ科学とは言えませんので、間違っていたらその時点で少し躊躇して(笑)、それから考えを修正したいと思います。

質的研究に関心の少ない方(ある方はもちろんですが)に読んでいただきたい対談です。

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