2010年9月30日木曜日

病院よりリハ病棟のほうが低栄養が多い


今日は、施設別の高齢者低栄養患者の割合:病院よりリハ病棟のほうが低栄養が多いに関する論文を紹介します。

Kaiser MJ et al: Frequency of Malnutrition in Older Adults: A Multinational Perspective Using the Mini Nutritional Assessment. J Am Geriatr Soc. 2010 Sep;58(9):1734-1738.

MNAで高齢者の栄養状態を評価した2000年以降の論文を集計したものです。全般に低栄養の患者が多いですが、病院よりリハ病棟のほうが低栄養が多いというのは衝撃的な結果です。リハ病棟では栄養状態良好なのはわずか8.5%で、低栄養のおそれあり(At risk)が41.2%、低栄養が50.5%です。

平均アルブミン値で見ても全施設で男性3.65、女性3.78、病院は男性3.61、女性3.64に対し、リハ病棟は男性3.29、女性3.36と明らかに低い結果となっています。この結果から、病院以上にリハ病棟では適切な栄養管理、リハ栄養が求められるといえます。

日本の回復期リハ病棟のデータがないのでわかりませんが、脳卒中と大腿骨頚部骨折の回復期の患者で移動が自立していない場合、MNA-SFで評価すると低栄養のおそれありか低栄養という結果にほぼ100%なります。また、廃用症候群に関しては急性期病院のデータとして私がMNA-SFで評価していますが、現時点では100%低栄養のおそれありか低栄養です。

つまり、今回の論文の結果は日本の回復期リハ病棟と比べて大差のない結果だと推測できます。回復期リハ病院でNSTが稼働している施設は少ないですし、NST加算の算定もできない状況ですが、急性期病院以上にNSTやリハ栄養が重要かもしれません。

Abstract
OBJECTIVES: To provide pooled data on the prevalence of malnutrition in elderly people as evaluated using the Mini Nutritional Assessment (MNA).

DESIGN: Retrospective pooled analysis of previously published datasets.

SETTING: Hospital, rehabilitation, nursing home, community.

PARTICIPANTS: Four thousand five hundred seven people (75.2% female) with a mean age of 82.3.

MEASUREMENTS: The prevalence of malnutrition in the combined database and in the four settings was examined.

RESULTS: Twenty-four data sets with information on full MNA classification from researchers from 12 countries were submitted. In the combined database, the prevalence of malnutrition was 22.8%, with considerable differences between the settings (rehabilitation, 50.5%; hospital, 38.7%; nursing home, 13.8%; community, 5.8%). In the combined database, the "at risk" group had a prevalence of 46.2%. Consequently, approximately two-thirds of study participants were at nutritional risk or malnourished.

CONCLUSION: The MNA has gained worldwide acceptance and shows a high prevalence of malnutrition in different settings, except for the community. Because of its specific geriatric focus, the MNA should be recommended as the basis for nutritional evaluation in older people.

2010年9月29日水曜日

サルコペニアの総説論文

今日はサルコペニアの最近の総説論文を2つ紹介します。

①Waters DL, Baumgartner RN, Garry PJ, Vellas B. Advantages of dietary, exercise-related, and therapeutic interventions to prevent and treat sarcopenia in adult patients: an update. Clin Interv Aging. 2010 Sep 7;5:259-70.

下記のHPで全文のPDFを見ることができます。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2938033/pdf/cia-5-259.pdf

有効な治療方法として、レジスタンストレーニング単独、レジスタンストレーニングと栄養療法の併用、ACE阻害剤の使用が紹介されています。ACE阻害剤を使用したADLに何らかの障害がある高齢者を対象としたRCTで、運動能力の改善と転倒が少ないという結果が出ています(Sumukadas D, Witham MD, Struthers AD, McMurdo ME. Effect of perindopril on physical function in elderly people with functional impairment: a randomized controlled trial. CMAJ. 2007;177(8):867–874.)。

ACE阻害剤の骨格筋に対する作用は不明ですが、高血圧を認めるサルコペニアの方にはACE阻害剤を処方してもよいと思います。誤嚥性肺炎の予防目的で高血圧を認める嚥下障害患者に処方するのと同じですね。

Abstract
Sarcopenia is the loss of skeletal muscle mass and function with aging. Although the term sarcopenia was first coined in 1989, its etiology is still poorly understood. Moreover, a consensus for defining sarcopenia continues to elude us. Sarcopenic changes in the muscle include losses in muscle fiber quantity and quality, alpha-motor neurons, protein synthesis rates, and anabolic and sex hormone production. Other factors include basal metabolic rate, increased protein dietary requirements, and chronic inflammation secondary to age-related changes in cytokines and oxidative stress. These changes lead to decreased overall physical functioning, increased frailty, falls risk, and ultimately the loss of independent living. Because the intertwining relationships of these factors are complex, effective treatment options are still under investigation. The published data on sarcopenia are vast, and this review is not intended to be exhaustive. The aim of this review is to provide an update on the current knowledge of the definition, etiology, consequences, and current clinical trials that may help address this pressing public health problem for our aging populations.

②Burton LA, Sumukadas D. Optimal management of sarcopenia. Clin Interv Aging. 2010 Sep 7;5:217-28.

下記のHPで全文のPDFを見ることができます。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2938029/pdf/cia-5-217.pdf

サルコペニアの要因の1つにレニンーアンギオテンシン系の変化が挙げられています。このことがACE阻害剤の有効性につながるのかもしれません。ただ、サルコペニアへの薬物療法のエビデンスはACE阻害剤に限られていて、やはりレジスタンストレーニングが最も効果的です。問題は実際にどのようにサルコペニアの方にレジスタンストレーニングを適切に指導し実施してもらうかです。診断方法も課題が多いですが。

Abstract
Sarcopenia is the progressive generalized loss of skeletal muscle mass, strength, and function which occurs as a consequence of aging. With a growing older population, there has been great interest in developing approaches to counteract the effects of sarcopenia, and thereby reduce the age-related decline and disability. This paper reviews (1) the mechanisms of sarcopenia, (2) the diagnosis of sarcopenia, and (3) the potential interventions for sarcopenia. Multiple factors appear to be involved in the development of sarcopenia including the loss of muscle mass and muscle fibers, increased inflammation, altered hormonal levels, poor nutritional status, and altered renin-angiotensin system. The lack of diagnostic criteria to identify patients with sarcopenia hinders potential management options. To date, pharmacological interventions have shown limited efficacy in counteracting the effects of sarcopenia. Recent evidence has shown benefits with angiotensin-converting enzyme inhibitors; however, further randomized controlled trials are required. Resistance training remains the most effective intervention for sarcopenia; however, older people maybe unable or unwilling to embark on strenuous exercise training programs.

リハビリテーション科医師不足2

日本経済新聞にも「医師2.4万人不足、地域・診療科で差 厚労省が初調査」という記事が掲載されています。

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0EBE2E3938DE0EBE2EBE0E2E3E29180E2E2E2E2;at=ALL


「調査は今年6月、全国の病院とマタニティークリニック1万262施設にアンケートを送付。医師の求人数や求人の理由などを聞き、8698施設から回答を得た(回答率84.8%)。」とのことで、回答率は十分高いと考えます。

「診療科別でも差が明らかになった。リハビリ科1.23倍や救急科1.21倍などは人員不足が目立った一方で、美容外科(1.03倍)やアレルギー科(1.03倍)などでは必要な数に近い医師数がいた。」ということで、今回のアンケート調査では、リハビリテーション科医師不足は救急科より深刻という結果です。

実際、リハ科専門医が比較的多い神奈川県の急性期病院や回復期リハ病院でさえ、リハ科専門医が充足しているとはとてもいえない状況です。リハ科専門医の必要数が3000~4000人と試算されているため、あと1300~2300人のリハ科専門医がいれば充足することになります。

「リハビリテーション科専門医需給」に関する報告
日本リハビリテーション医学会 リハビリテーション科専門医会
「リハ科専門医需給に関するワーキンググループ」 担当幹事 佐伯 覚
委員 菅原英和,瀬田 拓,水野勝広,吉田 輝,若林秀隆
http://www.jarm.or.jp/member/member_specialists_supply-demand.html
http://www.jarm.or.jp/wp-content/uploads/file/member/member_specialists_supply-demand.pdf

ただ現在のリハ科専門医試験の受験者数、合格者数は100人を超えることがないため、現状では充足するには少なくとも数十年、もしくはいつまでも不可能と考えられています。まずはリハビリテーション科医師不足が深刻であることが正しく伝わるとありがたいです。

リハ科医師不足

今朝の朝日新聞に、勤務医1.8万人不足 地域・診療科に偏り 厚労省調査という記事が掲載されています。

http://www.asahi.com/health/news/TKY201009280495.html

その最初に「全国の病院に勤務する医師数は約1万8千人不足していることが、厚生労働省の調査でわかった。地方に比べ都市部に医師が集中している地域偏在や、救急科やリハビリ科での不足がより深刻であるなど診療科ごとの偏りも判明。」とあります。

医師不足はいろんな記事で言われていましたが、わがリハ科医師の不足が深刻であるとの記事は初めてみました。

「必要医師数の倍率として、病気の後遺症でおきる運動障害などを総合的にみるリハビリ科や、救急科で1.2倍を超えていた。」そうです。

以前日本リハ医学会の専門医会で、リハ科専門医の必要数は約3000~4000人という試算を出しました、一方、現在のリハ科専門医数は1730人です。

https://member.jarm.or.jp/specialist.php

これを機にリハ科医師の増加につながることを期待しています。ただ、勤務医の不足人数が1.8万人ということには疑問がありますが…。

2010年9月27日月曜日

平成22年度研究基礎講座

神奈川県立保健福祉大学実践教育センターのHPに、平成22年度研究基礎講座の案内が掲載されています。臨床研究デザインの基礎をとても安価で学ぶことができますし、内容も充実しています。興味のある方は下記のHPから受講申込書を入手して、ぜひ応募してみてください。 

http://www.kuhs.ac.jp/center-homepage/kenkyukisokouza/kenkyuukisokouza.htm

以下、上記HPからの引用です。

日程 
 12月から2月(土曜全8回) 詳細は下記プログラムを参照
 時間はいずれも午前9時10分~12時20分、午後13時20分~16時30分
 (初日は9時からオリエンテーションあり) 

場所
 神奈川県立保健福祉大学実践教育センター(会場へのアクセス)
 横浜市旭区中尾1-5-1

応募資格
 次の要件をいずれも満たす方(これまでの研究経験や実績は問いません)
(1)資格の有無にかかわらず、受講時現在、保健・医療・福祉等の実務に従事し、3年以上の経験を有する方で、実践での経験や知見を生かした研究への意欲を持つ方。(実務経験は、平成22年11月30日現在)
(2)パソコンの基本的な操作ができる者(ワードによる文書作成、エクセルの表計算機能を使った表作成程度)

募集人員 
 各講座20人程度    

プログラム  (講座内容は、多少変更することがあります) 内容 日程 概要 担当講師
研究概論【必修】
12月4日
土曜日 研究とは 早稲田大学 人間総合研究センター
 客員研究員 白神 敬介
研究デザイン 早稲田大学 人間総合研究センター
 客員研究員 白神 敬介
12月11日
土曜日 先行研究の活用~クリティーク~ 県立保健福祉大学
 准教授 水戸 優子
論文の書き方
プレゼンテーション 済生会横浜市東部病院 看護部
 教育担当 小陽 美紀
12月18日
土曜日 文献検索の意義と実際 実践教育センター
 図書室司書  遠藤 裕邦
研究における倫理 県立精神医療センターせりがや病院
 看護局長 林 洋子

研究方法各論1
(質的研究)【選択】
1月22日
土曜日 質的研究とは 東京大学大学院 人文社会系研究科
 特任講師 山崎 浩司
1月29日
土曜日 データ収集方法と分析 お茶の水女子大学 ジェンダー研究センター
 特任研究員 林 葉子
質的研究計画と分析の実際

研究方法各論2
(量的研究)【選択】
2月5日
土曜日 講義:基礎統計(データとは? 記述統計) 横浜国立大学大学院環境情報研究院
 教授 中井 里史
実習:データの集計とグラフ化 横浜国立大学大学院環境情報研究院
 教授 中井 里史
2月12日
土曜日 講義:二変数の関係(視覚的・数値的検討) 横浜国立大学大学院環境情報研究院
 教授 中井 里史
実習:二変数の関係 横浜国立大学大学院環境情報研究院
 教授 中井 里史
2月19日
土曜日 講義:統計的推測(主に二変数の関係) 横浜国立大学大学院環境情報研究院
 教授 中井 里史
実習:統計的推測 横浜国立大学大学院環境情報研究院
 教授 中井 里史
全8日間

(注1) 基礎的な知識の習得が目的のため、座学講義が中心となります。(個別の研究指導は想定していません)
(注2) 「研究方法各論2(量的研究)」は、毎回パソコンを使用する実習を実施します。(エクセル、SPSS等) 

受講方法と受講料

・受講パターンはAからGの7とおりです。

・「研究概論」は必修です。
→パターンAからD

・ただし、過去に実践教育センター(または旧看護教育大学校)の課程・研修等において研究に関する授業等を修了した方は、選択のみの受講も可能です。
→パターンEからG

・受講料は、受講決定通知を郵送する際に「納入通知書」を同封しますので、事前に納付してください。

受講パターン 受講内容 日数 受講料
A 「研究概論」「研究方法各論1、「研究方法各論2」 8日間 13,000円
B 「研究概論」   3日間 5,000円
C 「研究概論」「研究方法各論1」  5日間 9,000円
D 「研究概論」「研究方法各論2」 6日間 10,000円
E 「研究方法各論1」「研究方法各論2」 5日間 9,000円
F 「研究方法各論1」  2日間 4,000円
G 「研究方法各論2」 3日間 5,000円

応募方法
 次の期限までに、受講申込書を実践教育センターに郵送してください。
 応募期限 平成22年10月15日(金曜日)《必着》

選考と受講決定
 「受講申込書」の内容に基づき選考を行い、その結果を平成22年11月上旬に応募者全員に通知します。
 
問い合わせ・申し込み先
(所在地) 〒241-0815 横浜市旭区中尾1-5-1
      保健福祉大学実践教育センター 実践教育部 村山 宛
(電話) 045-366-5800(代表)

週刊医学界新聞第12回日本褥瘡学会開催

週刊医学界新聞の最新号に、第12回日本褥瘡学会開催の記事が掲載されています。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02897_01

この中にシンポジウム「QOL向上を目指した栄養管理」の内容が紹介されています。特に以下の飯田氏の記事紹介は、リハ栄養的だと考えますので引用します。以下、引用です。

「褥瘡の発生防止には,寝たきりの回避が有効な対策の一つになる。理学療法士の飯田有輝氏(厚生連海南病院)は,病態と体内の蛋白質量の関係から,リハビリテーションの開始時期を考察。急性期に大きな侵襲を受けると,体内では異化反応が進み,筋肉は減少するが,急性期を抜けると異化反応は和らぎ,筋肉の再合成が始まる。このことから氏は,急性期のリハビリは効果が小さく,異化の継続を助けてしまうと指摘。リハビリ開始には,筋肉の再合成を待つべきだとした。」

従来の褥瘡患者に対するリハは、褥瘡や栄養の状態を考慮せずに安易に行っていました。今後は積極的なリハ(レジスタンストレーニングなど)に関しては、褥瘡や栄養の状態を評価したうえで行うかどうかを判断すべきでしょう。容易ではないのですが、異化期か同化期かの判断も重要です。

また、井上善文先生は「PEGを造設しても,適切な経腸栄養を実施しなければ患者は軽快しないとして,栄養管理に習熟することなどを喚起した。最後に,ガイドラインについて,学会員をリードしていくためには,エビデンスが不十分であっても,普及が求められる治療法には高い推奨度を付けるべき」と述べています。リハ関連職種が栄養管理に習熟できるよう、貢献したいと考えています。

2010年9月26日日曜日

キャリアショック

今日は高橋俊介著、キャリアショック―どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?、SB文庫を紹介します。アマゾンでは1円から中古品を購入できます。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4492531084/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392

以前、「スローキャリア」という書籍を紹介しましたが、この書籍もおすすめです。単行本は10年前に出たものですが、今でもキャリアを考えるのに十分に参考になります。

第3章では幸せなキャリアを切り開く人の発想パターンとして、以下の7つが紹介されています。

「横並び・キャッチアップ」か「差別性・希少性」か
「同質経験」を活かすのか「異質経験」を活かすのか
「過去の経験」にこだわるのか「今後の動向」に賭けるのか
「指導してもらえる」のか「好きなようにできる」のか
「社会的自己意識」か「私的自己意識」か
「合理的判断」か「直観」か
「会社の論理」か「職業倫理」か

これだけでも後者を意識することで、キャリア選択の参考になると思います。「今後の動向」に賭けるべきですが、「今後の動向」をある程度予測することが必要になります。

この点でもとても尊敬しているのが、北美原クリニックの岡田晋吾先生です。岡田先生は私の中でキャリアのロールモデルの1つです。別件ですが昨日、道南地区摂食・嚥下リハビリテーションセミナーで講演させていただいた後、岡田先生にとてもおいしい食事を御馳走になりました。どうもありがとうございました。

岡田先生の卓越している点はたくさんありますが、その中の1つに「今後の動向」をきちんと観察、予測して早い段階から実際に行動していることです。これはなかなかできることではありません。今は、リハにおける栄養の重要性が今後高まるに違いないと信じて賭けていますが…。

第6章では個人が明日から取るべき5つのアクションとして、以下のものが紹介されています。

「自分の値段」ではなく「自分の動機」を知る
動向を読み、賭けるべき流れを選ぶ
自分のビジョンとバリューを掲げる
価値あるWHATを構築するコンピタンシーの強化
キャリアリスクを減らしキャリア機会を広げる

やはり、動向を読むこと、実際に賭けて行動することはポイントですね。ちなみに私のビジョンはリハ栄養の考え方を日本に広げること、バリューはNo venture, no gloryです。これらを掲げることで、いざというときに行動がぶれなくなると感じています。

目次

序章 キャリアショックはある日突然やってくる
 日産自動車で何がおきているのか
 キャリアリスクが増大している ほか

第1章 成功のキャリアか幸せのキャリアか
 人に値段はつくのか
 資格で人の値段は上がるのか ほか

第2章 キャリアを切り開く人の行動パターン
 キャリアコンピタンシー調査の試み
  行動パターン1 仕事を膨らませる ほか

第3章 キャリアを切り開く人の発想パターン
 幸せなキャリアを切り開く人の価値観とは何か
  第一のポイント 「横並び・キャッチアップ」か「差別性・希少性」か ほか

第4章 人生支配の代償だった雇用保障
 春闘で「雇用」か「賃金」かを交渉する矛盾
 支配あるところに責任が生じる ほか

第5章 知的資本経営のできない会社は生き残れない
 「人材排出企業」と「人材輩出企業」
 人材は資産なのか ほか

第6章 明日から取るべき五つのアクション
 個人は何をすべきなのか?
 企業は何をすべきなのか?

2010年9月24日金曜日

「婚活」現象の社会学

今日は、山田昌弘編著、「婚活」現象の社会学、東洋経済新報社を紹介します。

http://www.toyokeizai.net/shop/books/detail/BI/e33edeaba0af331a77c2efc3b6399ae4/

なぜ「婚活」かというと、結婚相手の選択とキャリアで登る山の選択は人生の2大選択なので、FD的に参考になることがあるのではと感じたからです。恋愛相手や職業の選択も大きな選択かもしれませんが、結婚相手やキャリア登山に比べれば、比較的やり直しがしやすいと思います。まあ、結婚相手とキャリア登山もやり直しはできますし、やり直す方が増えてきている印象もありますが…。

「前近代社会は、人生における選択肢がほとんどない社会であった。しかい、近代社会は、職業や配偶者などを自分で選択しなければいけない社会となった。つまり、人生をプロデュースしなければならない時代なのである。そして、近代社会の展開とともに、様々な領域で選択肢が増え、それとともに、ある人生の目的を達成するためには、自分で積極的に活動しなければならない領域が増えてくる」と33ページにあります。

ここでは職業も紹介されていますが、現在は結婚相手もキャリア登山も選択肢が沢山あり、ある意味選び放題です。今より選択肢の少なかった昭和時代よりも現在のほうが、基本的には恵まれた社会だと思います。しかし、選択肢が沢山あることで、その中からたった1つを選択するということが現在は難しくなっています。

私の周りには同年代で素敵な男性や女性がいますが、独身の方が少なくありません。個人的な紹介はしませんよ、念のため(笑)。同様に優秀な医療人も少なくありませんが、キャリアで登る山を決め切れていない方が少なくありません。職種を決めること=キャリアで登る山を決めること、ではありません。1人前への道と1流への道は別物です。

その原因の1つに、自分の人生を自分でプロデュースしなければならない時代になったことを学校で教えてくれないことがあるかもしれません。学校教育は今でも前近代社会的なままであり、批判的に考える力を持たないよう、社会や国に反抗しないよう、おとなしい学生を大量生産することに力を入れていると感じます。そうすると自己プロデュース能力などを学校で教えるわけがありません。

その結果、結婚相手やキャリアで登る山を選択できない、そもそも自分で積極的に活動して選択しなければいけないことを知らない方が多い可能性があります。婚活に関してはブームになって様々なサポート体制ができつつありますが、キャリア登山に関してはそのようなサポートはほとんどありません。ハローワークに行ってもこの点では役に立ちませんし…。微力ながら医療人のキャリア登山の重要性を伝え続けたいと思います。

目次
序――「婚活」現象の広がりの中で
第1章 「婚活」現象の裏側
第2章 若者の交際と結婚活動の実態
    ――全国調査からの分析
第3章 結婚仲人の語りから見た「婚活」
第4章 自治体による結婚支援事業の実態
    ――そのメリットとデメリット
第5章 婚活ブームの二つの波
    ――ロマンティック・ラブの終焉
第6章 誤解された「婚活」――婚活ブームを検証する
第7章 アメリカ社会から見た現代日本の「婚活」
終 章 積み過ぎた結婚――日本の結婚の今後

MeT3・NST研究会と東京NST専門療法士連絡会(仮称)のご案内

NST専門療法士MLに投稿のあった、MeT3・NST研究会と東京NST専門療法士連絡会(仮称)の案内を下記に掲載します。3年前に神奈川で始めたNST専門療法士連絡会の東京版が今回立ちあがりますので、個人的にはとても嬉しいです。県域(かそれより小さい範囲)でのNST専門療法士の集まりが各地に立ちあがることを期待しています。私が知る範囲では神奈川、東京以外に北海道、群馬、福岡にあります。以下、案内です。

第12回MeT3NST研究会ご案内のパンフレットが出来ましたので、お知らせ致します。
今回は演題の他に、「NST加算を考える」というテーマでシンポジウムを開催致します。
今、とってもタイムリーな題目ではないかと思います。是非、たくさんの皆様の参加をお待ちしています。

第12回MeT3・NST研究会プログラム

※NST専門療法士認定に必要な5単位の取得が可能です。

日 時:2010年11月6日(土) 13:30~17:30
会 場:日本消防会館 ニッショーホール
東京都港区虎ノ門2丁目9番6号 03-3503-1486
参加費:1,000円

13:30 開会の辞 社会保険中央総合病院 栄養課 斎藤恵子
13:35 情報提供 (株)大塚製薬工場 学術部
13:55 一般演題【1】 座長 臨床看護研究サポートセンター 富田真佐子
1. 難治性褥瘡患者にNST介入後免疫賦活経腸栄養剤投与にて改善した1症例
東邦大学医療センター大橋病院NST・褥瘡対策チーム 大川李絵
2. 半消化態経腸栄養剤と増粘剤を用いた経腸栄養剤半固形化の試み
東邦大学医療センター大森病院栄養治療センターNST、栄養部 小倉豊子

14:15 一般演題【2】 座長 都立多摩総合医療センター 廣井順子
1. 当院におけるNST活動の変遷と電子カルテを用いたNSTカルテ回診
がん・感染症センター 都立駒込病院 NST活動委員会 岩永知大
2. 高カロリー輸液キット製剤の使用量と薬剤師による混合調製業務の関係
東京大学医学部附属病院薬剤部 鈴木美央

14:35 シンポジウム【栄養サポートチーム加算について考える】
司会 国立国際医療研究センター 河内正治
東邦大学医療センター大森病院 鷲澤尚宏
シンポジスト
○管理栄養士の立場から 国立がん研究センター中央病院 栄養管理室 松原弘樹
○薬剤師の立場から 昭和大学 薬剤部 病院薬剤学講座 渡邊 徹
○看護師の立場から せんぽ東京高輪病院 看護部 許斐久子
○医師の立場から(“NSTInitial 14”調査結果速報)
東京北社会保険病院栄養健康センター・脳外科 山田素行

16:05 休憩
16:20 研究会報告 MeT3・NST研究会代表世話人 小西敏郎
16:25 特別講演
座長 社会保険中央総合病院 斎藤恵子
「クローン病に対する栄養療法の意義 ―時代的変遷と今後の課題」
講師 北里大学東病院 消化器センター 小林清典先生
17:25 閉会の辞 次回当番世話人

※研究会終了後、17:45よりニッショーホール5階大会議室にて東京NST専門療法士部会(仮称)の連絡会(仮称)を予定しております。
東京都在住または東京都にご勤務のJSPEN認定NST専門療法士の方は振るってご参加をお願いいたします。

2010年9月23日木曜日

Sarcopenic Obesityとメタボ

Sarcopenic Obesityは、サルコペニア(骨格筋減少症)と肥満を合併したものです。運動不足で食事量が多い方や、侵襲下で過量のエネルギー投与を行われた患者に認めることがあります。

前者は知識労働者(このブログを見ている方のほとんどはそうだと思います)で自動車通勤で定期的な運動をしていない人は要注意だと思います。Sarcopenic Obesityに限りませんが、治療より予防のほうが重要ですので、心当たりのある方は今からレジスタンストレーニングを開始することをお勧めします。

後者は侵襲下で適切な栄養管理をすれば脂肪の蓄積を防げます。しかし、高度の侵襲だからと安易にストレス係数を高くして過量のエネルギーを投与すると、体重減少は防げますが筋肉量の維持はできず脂肪で増えるので、Sarcopenic Obesityとなります。医原性Sarcopenic Obesityと言えるかもしれませんが、現状ではあまり認識されていない気がします。

いずれにしても筋肉量を増やしつつ体重減少を目指さなければいけないので、適切な運動療法と食事療法の併用が必須となります。運動療法はレジスタンストレーニングと有酸素運動の併用が必要です。食事療法は低エネルギー・高蛋白食が基本になると思います。併存疾患により限度はありますが。

メタボ健診ではSarcopenic Obesityの方もひっかかると思います。ただ、単なるObesityの方とSarcopenic Obesityの方との区別はされていないはずです。同じメタボでもサルコペニアを合併しているかどうかで指導内容が異なってくるはずですが、そのようにされているのでしょうか。

特にSarcopenic Obesityの方に生活指導して体重が減少したとしても、脂肪が減少したのではなく筋肉量が減少したのであれば、むしろ減量しないほうが望ましい可能性があります。一方、体重が増えたとしても脂肪で増えたのではなく筋肉量が増えたのであれば、むしろ適切な可能性があります。体重は最も重要な栄養指標ではありますが、その限界も認識しつつ活用したほうがよいと考えます。

2010年9月21日火曜日

拒食症に対する強化栄養療法

今日は拒食症に対する強化栄養療法の論文を紹介します。

Whitelaw M, Gilbertson H, Lam PY, Sawyer SM. Does aggressive refeeding in hospitalized adolescents with anorexia nervosa result in increased hypophosphatemia? J Adolesc Health. 2010 Jun;46(6):577-82. Epub 2010 Jan 25.

拒食症、神経性食思不振症ではrefeeding症候群の予防のため比較的マイルドな栄養療法がおこなわれていますが、その代わり体重増加に時間を要するという欠点があります。この論文(症例集積)では入院当初から約9割の患者に1900~2200kcalの栄養療法を行い、refeeding症候群のリスクの高い4名は3名が補水療法、1名が1400kcalの栄養療法としています。

その結果、37%の患者で軽度の低リン血症を認めたものの、中等度から高度の低リン血症は認めなかったそうです。そのためより積極的なnutritional rehabilitation(リハ栄養というより栄養リハです)を行うべきという結論にしています。

ポイントはやはりrefeeding症候群のリスク患者をどう見分けるかだと思います。著しいるいそうでも最近は比較的経口摂取できていたのであれば最初から強化栄養療法でよいでしょう。一方、るいそうは著明でなくても最近ほとんど経口摂取できていなかったのであれば、refeeding症候群のリスクが高いので少量の栄養投与から初めてリンも予防的に投与して、徐々に栄養投与量を増やしていくべきでしょう。

リハ栄養的には一定の体重増加と著明なるいそう状態の離脱後に、さらに体重増加が見込まれる場合のみ、レジスタンストレーニングを行うというスタンスでよいと思います。維持的なリハやマイルドなADL訓練はそれ以前から行ってもよいですが、体重減少時と著明なるいそう時のレジスタンストレーニングは、拒食症に限らず禁忌です。

Abstract
PURPOSE: Concerns about refeeding syndrome have led to relatively conservative nutritional rehabilitation in malnourished inpatients with anorexia nervosa (AN), which delays weight gain. Compared to other programs, we aggressively refed hospitalized adolescents. We sought to determine the incidence of hypophosphatemia (HP) in 12-18-year-old inpatients in order to inform nutritional guidelines in this group.

METHODS: A 1-year retrospective chart review was undertaken of 46 admissions (29 adolescents) with AN admitted to the adolescent ward of a tertiary children's hospital. Data collected over the initial 2 weeks included number of past admissions, nutritional intake, weight, height, body mass index, and weight change at 2 weeks. Serum phosphorus levels and oral phosphate supplementation was recorded.

RESULTS: The mean (SD) age was 15.7 years (1.4). The mean (SD) ideal body weight was 72.9% (9.1). Sixty-one percent of admissions were commenced on 1,900 kcal (8,000 kJ), and 28% on 2,200 kcal (9,300 kJ). Four patients were deemed at high risk of refeeding syndrome; of these patients, three were commenced on rehydration therapy and one on 1,400 kcal (6,000 kJ). All patients were graded up to 2,700 kcal (11,400 kJ) with further increments of 300 kcal (1,260 kJ) as required. Thirty-seven percent developed mild HP; no patient developed moderate or severe HP. Percent ideal body weight at admission was significantly associated with the subsequent development of HP (p = .007).

CONCLUSIONS: These data support more aggressive approaches to nutritional rehabilitation for hospitalized adolescents with AN compared to current recommendations and practice.

喜界島NSTフェスティバルなど

しばらく間があきましたが、この3連休の過ごし方を紹介します。

9月18日 神奈川NST専門療法士連絡会の第3回NST専門療法士志望者向け勉強会参加(仕事は挨拶だけであとはもっぱら来月の第2回神奈川NST合宿の打ち合わせ)→懇親会→二次会

9月19日 第7回NST専門療法士スキルアップセミナー教育講演→羽田→鹿児島→奄美大島→喜界島と移動して、第1回喜界島NSTフェスティバルに参加→バーベキュー

9月20日 第1回喜界島NSTフェスティバルで特別講演→喜界島観光→鹿児島で乗り継ぎの間にラーメンと地ビール→羽田

こうしてみると3日間すっかりNSTとアルコール漬けですね。2日間で5回も飛行機に乗ったのは、私は初めてでした。

NST専門療法士志望者向け勉強会は参加者が80人強、東北から鹿児島まで全国からの参加がありました。嬉しかったことは模擬試験でトップだった人が理学療法士だったことです。その方から「若林先生が書かれた「リハビリテーション栄養」の本との出会いは、私の理学療法士としての転機となりました。」というメールもいただき、これもとても嬉しかったです。より多くの参加者が今年の試験で合格することを期待しています。

NST専門療法士スキルアップセミナーは参加者が20人と少なくて残念でした。「NST専門療法士のためのFaculty Development」のテーマで教育講演をしました。PowerPoint原稿を希望する方はメールをくださいと伝えて早々に会場を後にしたのですが、数人から早速連絡がありこれもよかったなあと思いました。

喜界島NSTフェスティバルは素晴らしかったです。喜界島の美しさも観光で満喫しましたが、喜界島徳州会病院の田中先生、西谷さん、片岡さんなど多くのスタッフの準備、企画、運営に多くを学び感動しました。参加者のレベルに合わせた企画内容だと感じましたし、参加者同士の交流もできていたと思います。

個人的には特別講演で参加されていた井上善文先生や倉田なおみ先生とゆっくりご一緒させていただけたのは、とても貴重な経験でした。スタッフの皆様に心からお礼申し上げます。

おそらく今後は喜界島での開催は難しいと思われますが、このような素晴らしい企画を1回で終わらせてしまうのはもったいありません。ぜひ他の離島(宮古島が有力だと思っています)で第2回を開催してほしいなあと思います。その時には喜んで遊びと学びに行きたいですね。

2010年9月16日木曜日

嚥下研究会「嚥下マニア」

嚥下研究会「嚥下マニア」のご案内です。名古屋近隣の方はぜひご参加ください。

日時:12月4日(土) 午前12時30分~午後4時00分
場所:名古屋第二赤十字病院 (3病棟1階研修ホール)
交通:地下鉄(名城線)「八事日赤」駅
  *駐車スペースに限りがございますので、公共機関のご利用をお願いします
予定
12:30~14:00 特別講演
「摂食・嚥下障害のリハビリテーション栄養と地域連携の実践」
横浜市立大学市民総合医療センターリハビリテーション科助教 若林 秀隆 先生
14:00~14:15 休憩
14:15~16:00 症例検討・演題発表・商品紹介

参加費:500円(当日受付にてお渡しください)

施設間の情報交換と親睦を深め、実際に困っている症例や、失敗・成功談を通して学習をしていく場として開催します。初心者向けのどんな些細な内容でも聞ける場にしたいと考えています。

2010年9月15日水曜日

第2回チーム医療推進全国会議

今日は会の宣伝ばかりですが、11月13日に第2回チーム医療推進全国会議が開催されます。

http://teamforum.or.jp/bigsight2010/index.html

昨年は神奈川NST合宿と重なっていて参加できなかったのですが、今年は参加します。このような企画、プログラムは他にはほとんどありませんので、ぜひ多くの方に参加していただきたいと思います。上記のHPからエントリーできます。よろしくお願いいたします。

主 催
一般社団法人 チーム医療フォーラム
代表理事 秋山 和宏
会 期
2010年11月13日(土)10:00~17:30
定員・参加費
定員450名 (事前申し込み制) 参加費 5,000円(年度会員は2,000円)
会 場
東京ビッグサイト 6F中会議室
〒135-0063 東京都江東区有明3-21-1
テーマ
「プロフェッショナルの条件」
事務局
〒271-0067千葉県松戸市樋野口865-2
東葛クリニック病院 栄養部 小川晴久
TEL:047-364-5121 FAX:047-367-6135

プログラム

シンポジウム 
「医療人のキャリア・アップ―私の歩いてきた道/自分ブランドのつくり方」
若林 秀隆 横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科
田村 佳奈美 福島労災病院 NSTディレクター
倉田 なおみ 昭和大学薬学部薬剤学教室 教官 臨床薬剤師
中山 法子 北野病院 看護管理室 師長/国際医療福祉大学大学院修士課程 NP養成分野在籍
座長:秋山 和宏 東葛クリニック病院 副院長

ランチョン・セミナー 
「チーム医療と私」
東口 高志 藤田保健衛生大学 外科学・緩和ケア講座教授
座長 徳永慶子 東葛クリニック病院 薬剤部

教育セミナー 共催:ローリングZip
「プロフェッショナルの条件」
リチャード・金杉 ローリングZip代表
座長 蓑手 哲 チーム医療フォーラム アソシエイト

“草の根”コンペ

急性期から在宅まで摂食・嚥下リハビリテーションに取り組む

急性期から在宅まで摂食・嚥下リハビリテーションに取り組む嚥下の地域連携セミナーが11月23日に開催されます。参加費が高いのがかなり難点ですが、講師に関しては私は別としても、しっかりしたメンバーがそろっています。個人的にはこれらの先生のお話を一度にまとめて聞けることが楽しみです。

参加希望の方は下記のHPから申し込んでください。よろしくお願いいたします。

http://www.jmp.co.jp/ncm/

日 時 2010年 11月 23日(火・祝) 10:00~18:00
(開場 9:15)
場 所 (財)社会文化会館三宅坂ホール
(東京都千代田区永田町1-8-1)
定 員 400名
※定員になり次第締め切らせていただきます
受講料 一般 11,000円
(社)日本栄養士会会員 9,000円
ヘルスケア・レストラン定期購読者 9,000円
ヒューマンニュートリション定期購読者 9,000円

内容

10:00~11:00 摂食・嚥下障害者のリハビリテーション栄養管理と地域連携
若林 秀隆 氏
横浜市立大学附属市民総合医療センター・リハビリテーション科

11:00~12:00 病診連携のための嚥下食の標準化に向けて
栢下 淳 氏
県立広島大学教授

13:00~14:00 早期経口摂取実現とQOLのための摂食・嚥下リハビリテーション
小山 珠美 氏
東名厚木病院・摂食嚥下療法部課長

14:00~15:00 摂食・嚥下リハビリテーションの実際-回復期・在宅での取り組みと連携-
沖田 啓子 氏
西広島リハビリテーション病院・リハビリテーション部部長

15:15~16:15 歯科医師からみた摂食・嚥下リハビリテーションの病診連携-昭和大学口腔ケアセンターの取り組み-
弘中 祥司 氏
昭和大学歯学部准教授

16:15~17:15 地域における摂食・嚥下障害者への関わり
江頭 文江 氏
地域栄養ケアPEACH 厚木代表

17:30~18:00 質疑応答

神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会横浜南地区嚥下講習会

今度11月7日(日)に神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会の横浜南地区嚥下講習会が開催されます。詳細は研究会HPに掲載されています。皆様のご参加の程よろしくお願い申し上げます。

http://kanagawaenge.web.fc2.com/

日時:平成 22年11月7日(日) 13:00~17:00(受付12:30分~)
場所:神奈川県総合医療会館 7階講堂
横浜市中区富士見町3-1 ℡ (045) 241-7000
市営地下鉄「伊勢佐木長者町」下車4番出口より徒歩2分
会費: 1000円
申し込み方法:別紙連絡表(研究会HPから入手できます)に①施設名②連絡先③氏名④職種をご記入の上FAXにてご送信ください。
※定員250名(先着順)になり次第締め切らせていただきます。
FAX 045-312-3481 アボットジャパン(株)
お問い合わせ先 045-752-5611 屏風ヶ浦病院リハビリテーション科 廣瀬裕介

講演:13:00~14:00 座長 河合 敏 (河合耳鼻咽喉科医院)
①嚥下障害の基礎と臨床~VFとVEによる観察~
西山 耕一郎(西山耳鼻咽喉科医院)
休憩 10分

講演:14:10~15:00 座長 廣瀬 裕介(屏風ヶ浦病院リハビリテーション科)
②基本的な嚥下訓練法と適応
生井 友紀子(横浜市立大学病院)
休憩 10分

講演:15:10~16:00 座長 桑名裕一郎 (くわな歯科医院)
③口腔ケア
田中 五郎 (田中歯科医院)
休憩 10分

講演:16:10~17:00 座長 高橋 素彦(横浜市立脳血管医療センター)
④間歇的経管栄養法
樋口 恵美子(屏風ヶ浦病院看護部)
⑤嚥下食ピラミッド
熊谷 直子(横浜市立脳血管医療センター栄養科)

主催 横浜南地区世話人会
神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会
後援 日本耳鼻咽喉科学会神奈川県地方部会
神奈川県病院栄養士協議会
神奈川県看護協会
共催 アボットジャパン㈱

2010年9月14日火曜日

大前の頭脳

今日は、大前研一著、大前の頭脳「産業突然死」時代を生き抜く知恵、日経BP社を紹介します。

http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P47340.html

タイトルのように大前研一氏の思考回路、発想法、問題発見・解決法がわかりやすく紹介されています。テーマそのものよりも考え方を学ぶ書籍です。内容自体は大前氏の書籍を何冊か読んでいる人であれば、目新しくはないかもしれません。

個人的には「サイバー社会の格差を埋めるのもまたサイバーである」が印象的でした。私は決してサイバー社会でリードする存在ではありませんが、Googleは様々な種類の検索、GMAIL、Blogger、リーダー、アラート他、ある程度使いこなしていると思いますし、ツイッターも先月始めました。携帯電話はあまり使いこなしていませんので、格差をつけられている側かもしれません。

ただ、特にGoogleをきちんと使いこなすことは現代の一般教養だと感じます。Googleの使用の有無で情報収集能力に大差がつきますのでその結果、思考能力や情報発信能力にも差が出てくると考えます。時間管理にも差が出る可能性があります。Googleを使いこなしていない人は、「サイバー社会の格差を埋めるのもまたサイバーである」を肝に銘じて身につけてほしいと思います。 Googleの入門書はたくさんあります。

「産業突然死」時代を生き抜く知恵とありますが、現代は「個人が過去に習得した知識・技能の突然死」時代であるとも言えます。過去の経験から多くを学ぶことは重要ですが、過去の経験だけで生き抜こうとすると、ある日知識・技能の突然死に直面する可能性があります。そうならないように生涯学習能力に磨きをかけておきたいですね。

目次
プロローグ

第1章 産業突然死をまねく日本の病因
1 前世紀型思考は、国家を「突然死」に招く死神である
2 ただちに教育を変えなければ、日本の集団IQはさらに低下する
3 システム貧国ニッポン、東証のトラブルは必然だった
4 マスコミは表層の事件や現象しか追わない
5 技術だけで世界戦略を持たずに負け続ける
6 日本企業のグローバル化には3つの問題点がある
7 “不まじめ”なサラ金と銀行がまじめな消費者を陥れる
8 国の愚民政策が国民をだまし続ける
9 日本のお役所情報システムは、無駄だらけ
10 小泉改革の目玉「郵政民営化」はどこへ行った
11 官製不況が日本を襲う─グレーゾーン金利廃止と建築基準法
12 官僚+マスコミ+企業、「合成の誤謬」により官製不況は悪化する
13 日本は「アジアで最も豊かな国」から転落した

第2章 「産業突然死」時代を生き抜く14の提言
1 答えのない問題に向き合う勇気を持とう
2 日本に必要な「真のリーダー」はエンパワー型である
3 新しい時代こそ、「構想力」で乗り切れ!
4 サイバー社会の格差を埋めるのもまたサイバーである
5 道州制は、この国の長期衰退を救う
6 「市場は縮小する」と思った瞬間に成長も止まる
7 団塊世代の退職金85兆円を市場に呼び込め
8 1億人で日本国憲法を書き直してみよう
9 EUに対抗できる優遇税制度を構築せよ
10 仕事の能率を見直せ~労働生産性は米国の7割
11 統計手法を刷新し、経済の実態を正確に測れ
12 日本企業は、グローバル・ニッチ・トップで生き残れ
13 「細く、深く、長く」仕事ができる人材を育てよ
14 いまこそ心理経済学で発想せよ!

番外編 揺れる世界経済と日本
1 金融危機に慣れた日本人には絶好のチャンスが来た
2 日本は、ビッグ3を買って米国に恩を売れ
3 機能不全のIMFを超える金融チェック機構を作れ
4 「失われた15年」に日本は失われていなかった
5 世界がオバマ政権に求める「責任」とは何か?
6 オバマ政権の経済認識は相当に危うい
7 日本政府はバイアメリカン条項を恐れるな

エピローグ

神奈川摂食・嚥下リハ研究会による地域リハの取り組みの現状と展望(第2報)

先日の日本摂食・嚥下リハ学会で、「神奈川摂食・嚥下リハ研究会による地域リハの取り組みの現状と展望(第2報)」という発表をさせていただきましたが、その発表原稿を神奈川摂食・嚥下リハ研究会のHPに掲載しています。

http://kanagawaenge.web.fc2.com/

神奈川摂食・嚥下リハ研究会の宣伝ですが、興味のある方は見ていただければと思います。よろしくお願いいたします。

筋トレと栄養管理による筋肥大促進

今日は筋トレと栄養管理による筋萎縮対策、筋肥大促進のレビュー論文を紹介します。

Glover EI, Phillips SM. Resistance exercise and appropriate nutrition to counteract muscle wasting and promote muscle hypertrophy. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2010 Sep 8. [Epub ahead of print]

骨格筋減少の原因として、廃用、エイズ、敗血症、癌悪液質、心不全、尿毒症が挙げられています。二次性サルコペニアの活動に関連したものと疾患に関連したものが紹介されていると言えます。加齢によるサルコペニアと栄養に関連したサルコペニアは出ていません。

骨格筋減少の主な要因は、筋肉合成量の低下だそうです。そのため、治療法としては筋蛋白分解予防よりも筋蛋白合成促進を考慮したほうがよいとのことです。骨格筋減少に対する治療の仮説として、中~高負荷の筋トレが一番で、適切な栄養サポートが二番としています。単独でも有効だが両者を併用することでより大きな効果を期待できると考えています。

私の仮説は活動と加齢によるサルコペニアであれば、中~高負荷の筋トレは有効だと考えます。一方、コントロールされていない侵襲、悪液質がある場合や栄養に関連したサルコペニア(飢餓)の場合は、中~高負荷の筋トレは逆効果と考えます。運動は廃用予防、ストレッチ、低負荷の筋トレまでに留めて、原疾患の治療や適切な栄養管理を優先すべきというスタンスです。

この点で著者とはやや考え方が違いますが、治療法として異化予防よりも同化促進を優先すべきというのはある程度納得しました。同化促進できる全身状態、栄養状態であるかどうかがポイントです。

Abstract
PURPOSE OF REVIEW: Loss of skeletal muscle mass is a common feature of a number of clinical scenarios including limb casting, bed rest, and various disorders such as HIV-AIDS, sepsis, cancer cachexia, heart failure, and uremia. Commonly, muscle disuse (hypodynamia) is the sole reason, or a large part, of why muscle mass is lost. The reduction in strength, or dynapenia, that accompanies these conditions is also a function of the degree of hypodynamia and is related to muscle loss.

RECENT FINDINGS: The major and consistent finding in a number of human-based models of muscle wasting is a decline in the synthesis of new muscle proteins both in the postabsorptive and fed states. Thus, countermeasures are best suited to those that augment muscle protein synthesis and not those that attempt to counteract proteolysis. Our main thesis is that retention of muscle mass in wasting conditions will be achieved to the greatest extent by focussing on increased muscle use with moderate-to-high resistance loads as the primary countermeasure with a secondary countermeasure being to provide adequate nutritional support. Either intervention alone will alleviate some part of hypodynamia-induced muscle mass loss and dynapenia; however, together nutrition and muscular contraction will result in greater mitigation of muscle loss.

SUMMARY: Advances in our understanding of hypodynamia-induced muscle loss, a condition common to almost all syndromes of muscle wasting, has led to a focus on reduced basal and feeding-induced elevations in protein synthesis. Countermeasures for wasting should focus on stimulating anabolism rather than alleviating catabolism.

2010年9月13日月曜日

客観的身体能力測定値(握力、歩行速度、いすからの起立時間、立位バランス)と死亡率の関連

いつもお世話になっている内科開業医のお勉強日記ブログからの引用です。

客観的身体能力測定値(握力、歩行速度、いすからの起立時間、立位バランス)と死亡率の関連
http://intmed.exblog.jp/11273215/

身体能力の脆弱性と生命予後の関連

Objectively measured physical capability levels and mortality: systematic review and meta-analysis
BMJ 2010; 341:c4467 doi: 10.1136/bmj.c4467 (Published 9 September 2010)

報告のheterogeneityが指摘されたが、4つの測定項目において、身体能力と死亡率に関して一致した関連があった

握力、歩行速度、起立時間、立位バランスについて

握力の4分位比較、14研究、53476名対象で、年齢、性、身体サイズ補正(I2=84.0%, 95% confidence interval 74% to 90%; P from Q statistic <0.001)後、要約ハザード比は 1.67 (95% confidence interval 1.45 to 1.93)

歩行速度4分位比較、5研究、14?692 名で、同補正にて 2.87 (2.22 to 3.72) (I2=25.2%, 0% to 70%; P=0.25)

歩行速度、いすからの起立、立位バランスの死亡率との相関は、高齢者でのみ見られる(平均70歳超)
握力との相関は若年者でも見られる(5研究、平均60歳未満)

具体的身体能力指標測定は、運動介入による死亡率改善目指す上で、重要。
システミックレビューがなされておらず、また、高齢者、若年者における意義付けも不明であったため有用な報告である。

日本でも身体活動啓発しているようだが、このような簡易な指標を採用して、高齢者に対して運動啓発を行う方が、エクササイズ単位などというめんどくさい指標より高齢者にはいいのではないか?

以上、引用です。

握力と死亡率との相関が若年者でも高齢者でも見られるということは、サルコペニアと死亡率との関連も考えられます。握力はサルコペニアの評価指標の1つですので。運動療法の重要性を改めて実感します。

同時に運動療法を支える栄養療法、栄養サポートも重要だと感じます。低栄養では当然、握力、歩行速度、いすからの起立、立位バランスのいずれも低下しますので。

言語聴覚士教育のさらなる充実に向けて

医学界新聞の最新号の特集で「言語聴覚士教育のさらなる充実に向けて」が取り上げられています。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02895_01

藤田郁代氏(国際医療福祉大学保健医療学部言語聴覚学科長/教授)=司会
長谷川賢一氏(聖隷クリストファー大学 リハビリテーション学部 言語聴覚専攻長/教授)
立石雅子氏(目白大学保健医療学部 言語聴覚学科長/教授)
というST界の重鎮3人の座談会という形で、ST教育の現状と今後の課題に関してディスカッションされています。

長谷川先生が「ゆとり教育などの影響もあり,入学時の成績は年々下がっていますね。また,学習への動機付けが不確かなまま入学してくる学生が増えており,意欲の低下などから入学後に自己学習が進まなかったり,教員がさまざまな教育的手段を講じても効を奏さないこともあり,指導上の課題となっています。」と述べていますが、その通りだろうなあと感じます。

ただこれはゆとり教育の問題だけでなく、STの学校数が急速に増えた結果、レベルと倍率の低い学校が出てきていることの影響だと考えます。現時点の入学時の成績でいえば、STよりPT・OTのほうが上のように感じるのは私だけでしょうか。

藤田先生が「自分自身の臨床能力をモニターし,研鑽をして高めていく時間的余裕がない環境にあって,臨床能力が低下しているという危惧は強くあります。(中略)しかしこのところ,言語病理学的評価・診断能力が鍛えられていない若い人たちが見受けられます。」 と臨床現場のSTについて述べています。これも残念ながら事実でしょう。

私がリハ医として初めてSTに接した10数年前、STは誰もが極めて優秀でとても輝いて見えました。私のSTに対する敬意は、この頃の経験によるところが大きいです。今でも極めて優秀と感じさせてくれるSTはもちろんいますが、もはや多数派とはいえません。その点で相対的に言語面での臨床能力が落ちていることは確かだと感じます。一方、嚥下面での臨床能力が明らかに向上していることは特記すべきでしょう。

藤田先生の「エビデンスに基づく,科学的な臨床実践を行うには,評価・診断結果をもとに論拠を明確にして治療仮説を立て,それを訓練過程で検証するといった科学的方法論を身に付けておくことが必要です。そのためには日々の臨床から課題を見いだし,研究に取り組むことも重要であり,臨床と研究は表裏一体を成すものだと私は考えています。」に私も同感です。

STで臨床研究に取り組んでいる人が少なすぎると感じています。臨床研究が臨床のスキルを大いに向上させることを考えると、実にもったいないことです。臨床現場が忙しいことはわかりますが、その中で臨床研究も含めて一定以上の自己研鑽を行わないと、個人としても職能集団としても将来が危惧されます。

卒後教育や生涯教育が乏しいことも課題ですね。ST教育に関して卒前も卒後も生涯も課題だらけですが、すべてのST教育に力を入れていただき、極めて優秀でとても輝いて見えるSTを増やしてほしいと期待しています。

2010年9月9日木曜日

医学英語論文の書き方マニュアル(原書第10版)

今日は、今西二郎、浦久美子訳:医学英語論文の書き方マニュアル(原書第10版)、共和書院を紹介します。AMA(American Medical Association)MANUAL OF STYLE,10th editionの翻訳です。

http://www.h3.dion.ne.jp/~kyowa-sh/n.frame.html

確かに医学英語論文の書き方に関して包括的に詳しく解説されていますが、マニュアルというよりは辞書のような厚さです(約850ページ)。すでに英語論文執筆の経験がある方や編集委員の方向けのように私は感じました。初心者、初級者にとっても学ぶことは少なくありませんが、もっと薄くてわかりやすい書籍で学習されることをおすすめします。

目次だけでも膨大ですが、この書籍に関心のある方のために一通り掲載しておきます。

目次

1 編 発表する論文の作成

1 章 論文の種類 3
1. 1 オリジナルデータの報告書 3
1. 2 総説論文 3
1. 3 記述論文 4
1. 4 合意文書と診療のガイドライン 4
1. 5 意見論文 4
1. 6 投 書 4
1. 7 書評(書籍,雑誌,ニューメディア )  5
1. 8 その他の論文 5

2 章 原稿の作成 7
2. 1 タイトルとサブタイトル 7
 2. 1. 1 引用符 9
 2. 1. 2 数 字 9
 2. 1. 3 薬 物 10
 2. 1. 4 属および種 10
 2. 1. 5 略 語 10
 2. 1. 6 大文字にする場合 10
 2. 1. 7 都市,郡,州,地方,国の名称 11
2. 2 バイライン(著者名欄)および文末の署名 11
 2. 2. 1 著者名 11
 2. 2. 2 著者資格 12
 2. 2. 3 学 位 12
 2. 2. 4 複数の著者,グループとしての著者 13
2. 3 タイトルページの脚注 14
 2. 3. 1 脚注の順序 14
 2. 3. 2 故 人 15
 2. 3. 3 著者の所属先 15
2. 4 欄外下部の見出し 16
 2. 4. 1 出版物の名称 17
 2. 4. 2 論文のタイトル 17
2. 5 抄 録 17
 2. 5. 1 書式の決まった抄録 18
 2. 5. 2 書式の決まっていない抄録 20
 2. 5. 3 抄録を書くにあたって 20
2. 6 キーワード 21
2. 7 碑 文 21
2. 8 原稿の構成要素,見出し,副見出し,脇見出し 21
 2. 8. 1 見出しの順位 22
 2. 8. 2 見出しの数 22
 2. 8. 3 見出しの中で避けるべき事柄 23
2. 9 追 記 23
2.10 謝辞の項 23
 2.10. 1 受理日 23
 2.10. 2 印刷前のオンライン出版 24
 2.10. 3 1ページに載せられない所属先脚注 24
 2.10. 4 連絡先 24
 2.10. 5 著者の貢献 25
 2.10. 6 グループ研究の参加者リスト 25
 2.10. 7 研究費援助の公開 25
 2.10. 8 資金援助/支援 26
 2.10. 9 スポンサーの役割 27
 2.10.10 独立した統計学的分析 27
 2.10.11 関与否定文 29
 2.10.12 発表済み 29
 2.10.13 追加情報(種々雑多な謝辞) 29
 2.10.14 その他の貢献 30
 2.10.15 望ましい引用書式 31
2.11 付 録 31
2.12 オンラインだけの(補足)資料 32

3 章 参考文献 35
3. 1 参考文献の提示様式と統一要求事項 35
3. 2 参考文献のリスト 36
3. 3 本文中に出てくる参考文献 36
3. 4 発表受理に必要な参考文献に最低限必要なデータ 37
3. 5 番号を付ける 37
3. 6 引 用 37
3. 7 著者名 39
3. 8 接頭辞と接尾辞 40
3. 9 タイトル 40
 3. 9. 1 英語のタイトル 40
 3. 9. 2 英語以外の言語のタイトル 40
 3. 9. 3 微生物の名称 41
 3. 9. 4 英語以外の語句 41
3.10 サブタイトル 41
3.11 印刷雑誌を参考文献にする場合 41
 3.11. 1 必要なデータ 41
 3.11. 2 雑誌名 42
 3.11. 3 ページ番号と発行年度 42
 3.11. 4 ページ番号の不連続 42
 3.11. 5 巻数あるいは号数のない雑誌 42
 3.11. 6 1号の分冊 42
 3.11. 7 特別号あるいは特集号 43
 3.11. 8 増刊号 43
 3.11. 9 他の出典からとった抄録およびその他の資料 43
 3.11.10 雑誌の特定の部分,特集記事,あるいは囲み記事
      からとった参考文献 44
 3.11.11 著者名のないその他の資料あるいは著者名と
      グループ名のあるその他の資料 44
 3.11.12 討論者 45
 3.11.13 訂 正 45
 3.11.14 撤 回 45
 3.11.15 重複出版 46
3.12 印刷書籍を参考文献にする場合 46
 3.12. 1 必要なデータ 46
 3.12. 2 1冊の書籍を参考文献にするとき 46
 3.12. 3 モノグラフを参考文献にするとき 46
 3.12. 4 書籍の中の1章を参考文献にするとき 46
 3.12. 5 編集者と翻訳者 47
 3.12. 6 巻 数 47
 3.12. 7 版 数 48
 3.12. 8 出版地 48
 3.12. 9 出版社 49
 3.12.10 出版年 49
 3.12.11 ページ番号あるいは章番号 49
3.13 特殊な印刷資料 49
 3.13. 1 新 聞 49
 3.13. 2 政府あるいは政府機関刊行物 50
 3.13. 3 シリーズ出版物 51
 3.13. 4 学位論文および博士論文 51
 3.13. 5 特別な蔵書 51
 3.13. 6 添付文書 51
 3.13. 7 特 許 51
 3.13. 8 未発表の資料 52
 3.13. 9 私 信 53
 3.13.10 二次的な紹介引用および論述引用(新聞発表を含む) 53
 3.13.11 古典を参考文献にする場合 54
3.14 その他のメディア 54
 3.14. 1 録音テープ,録画テープ,DVD(Digital Video Disks)54
 3.14. 2 テレビ放送の録画あるいはラジオ放送の録音 54
3.15 電子メディアを参考文献にするとき 54
 3.15. 1 オンライン雑誌 56
3.15. 2 書籍とCD-ROMになった書籍 58
 3.15. 3 ウェブサイト 59
 3.15. 4 オンライン新聞 59
 3.15. 5 政府/団体の報告 59
 3.15. 6 ソフトウェア 60
 3.15. 7 ソフトウェアマニュアルまたはガイド 60
 3.15. 8 データベース 60
 3.15. 9 電子メールと電子メールリスト(Listserve)
      メッセージ 61
 3.15.10 オンライン会議議事録/発表 61
 3.15.11 新聞発表と種々雑多なもの 62
 3.15.12 法律を参考文献にする場合 62
3.16 アメリカ合衆国法を参考文献にする場合 62
 3.16. 1 引用方法 62
 3.16. 2 判例の引用 63
 3.16. 3 立法資料 65

4 章 データの視覚的提示 69
4. 1 表 70
 4. 1. 1 表の種類 70
 4. 1. 2 表の中に情報を盛り込む 71
 4. 1. 3 表の構成要素 73
 4. 1. 4 測定単位 81
 4. 1. 5 句読法 82
 4. 1. 6 略 語 82
 4. 1. 7 数 字 82
 4. 1. 8 補足情報を含む表 82
 4. 1. 9 表を作成し提出する際の指針 83
4. 2 図 84
 4. 2. 1 統計図 84
 4. 2. 2 ダイアグラム 92
 4. 2. 3 地 図 95
 4. 2. 4 イラスト 95
 4. 2. 5 写真と臨床画像 95
 4. 2. 6 図の構成要素 96
 4. 2. 7 タイトル,凡例,ラベル 101
 4. 2. 8 本文中での図の配置 102
 4. 2. 9 他の出典を複製した図あるいはそれを利用した図 104
 4. 2.10 図を作成し投稿するにあたっての指針 104
 4. 2.11 写真の公開に対する患者の同意 105
4. 3 表形式ではない資料 105
 4. 3. 1 囲み記事 105
 4. 3. 2 補足記事 106

5 章 倫理および法律上考慮すべき事柄 109
5. 1 著者の責務 109
 5. 1. 1 著者としての資格:定義,規準,貢献,および求められる
     もの 110
 5. 1. 2 客員著者(guest author)およびゴースト著者
    (ghost author) 113
 5. 1. 3 署名のない論説,名前を伏せた著者,偽名の著者 114
 5. 1. 4 著者の数 115
 5. 1. 5 著者資格の順位 115
 5. 1. 6 著者資格における変更 116
 5. 1. 7 グループおよび共同研究の著者資格 116
5. 2 謝 辞 120
 5. 2. 1 著者ではない人々の支援,補助および貢献に感謝する  121
 5. 2. 2 グループおよび共同研究著者リスト 122
 5. 2. 3 著者の貢献 122
 5. 2. 4 著者の利益相反と研究費援助の公開 122
 5. 2. 5 データアクセスの声明 125
 5. 2. 6 資金援助とスポンサーの役割 126
 5. 2. 7 謝辞の記載事項とその順序 127
 5. 2. 8 個人名を挙げることに対する承諾 127
 5. 2. 9 私信とクレジットライン(訳者注:出版物に添えてある
     提供者の名前) 127
5. 3 重複出版 128
 5. 3. 1 二次的出版 129
 5. 3. 2 重複出版の防止とその申し立ての取り扱いに関する
      編集方針 131
5. 4 科学者の不正 135
 5. 4. 1 事実と異なる陳述:捏造,不正陳述および遺漏 136
 5. 4. 2 不正流用:盗作と機密の漏洩 137
 5. 4. 3 デジタル画像の不適切な操作 137
 5. 4. 4 科学上の不正の発見とその申し立ての取り扱いに
     ついての編集方針および手順 138
 5. 4. 5 撤回,懸念の表明 139
 5. 4. 6 科学上の不正についての未解決の問題を伴う申し立て  144
 5. 4. 7 編集検討時の原稿に関する申し立て 144
5. 5 利益相反 146
 5. 5. 1 著者に求められるもの 147
 5. 5. 2 資金援助とその他の支援についての報告 150
 5. 5. 3 スポンサーの役割についての報告 151
 5. 5. 4 データアクセスの要求 151
 5. 5. 5 民間企業がスポンサーとなっている研究の報告に
     求められるもの 151
 5. 5. 6 ピア・レビュアーに求められるもの 152
 5. 5. 7 編集者と編集委員会のメンバーに求められるもの 152
 5. 5. 8 財政上の利益の公開不履行の取り扱い 153
5. 6 知的所有権:所有権,アクセス,権利および管理 156
 5. 6. 1 所有権とデータの管理 156
 5. 6. 2 オープン・アクセス出版と科学雑誌 160
 5. 6. 3 著作権:定義,歴史および現行法 161
 5. 6. 4 米国における著作の種類と著作権の期間 164
 5. 6. 5 著作権の譲渡あるいは出版許可 168
 5. 6. 6 著作権告知と登録 170
 5. 6. 7 コピー,複製,改変およびその他の内容の利用 171
 5. 6. 8 討論,シンポジウム,会議の記録の出版 174
 5. 6. 9 再利用の許可 174
 5. 6.10 販売用の別刷とEプリントの基準 174
 5. 6.11 許可された国際版の基準 176
 5. 6.12 国際的な著作権の保護 176
 5. 6.13 道徳権 181
 5. 6.14 著作権についての情報源 181
 5. 6.15 特 許 182
 5. 6.16 商 標 182
5. 7 機密保持 190
 5. 7. 1 編集評価時とピア・レビュー時および出版後における
     機密保持 190
 5. 7. 2 科学上の不正の申し立てにおける機密保持 193
 5. 7. 3 申請書の機密保持と特典のある情報の要求 194
 5. 7. 4 編集者と編集委員の選抜における秘密 195
5. 8 科学出版物における被験者および患者の権利の保護 196
 5. 8. 1 研究の倫理的査読とインフォームド・コンセント 197
 5. 8. 2 プライバシーと匿名に対する患者の権利 199
 5. 8. 3 遺伝研究について発表された報告書における権利 201
 5. 8. 4 生物医学雑誌におけるエッセーやニュース報告での
     患者の権利 202
5. 9 名誉毀損,誹謗 204
 5. 9. 1 生きている人と実在する団体 206
 5. 9. 2 公人と私人 206
 5. 9. 3 個々人からなるグループ 206
 5. 9. 4 意見の記述 207
 5. 9. 5 小説の作品 208
 5. 9. 6 再出版とニュースの報告 208
 5. 9. 7 誹謗に対する防衛 208
 5. 9. 8 誹謗のリスクを最小限にする 209
 5. 9. 9 誹謗情報の訂正,撤回,あるいは除去の要求 209
 5. 9.10 その他の法的責任に関して 210
5.10 編集の自由と公正性 211
 5.10. 1 編集の自由の維持:編集への干渉および任務,信頼,
      そして効果的な監視と管理の論理的根拠の事例 213
 5.10. 2 雑誌編集者,出版社,オーナーの間の信頼関係を
      確かなものとする 218
5.11 編集上の責任,役割,手順および方針 224
 5.11. 1 編集者の責任 224
 5.11. 2 原稿受理を知らせる 227
 5.11. 3 原稿評価に対する編集上の責任 227
 5.11. 4 ピア・レビューに対する編集上の責任 227
 5.11. 5 rejectに対する編集上の責任 228
 5.11. 6 修正に対する編集上の責任 229
 5.11. 7 原稿受理に対する編集上の責任 230
 5.11. 8 投書(編集者への手紙) 231
 5.11. 9 訂正(正誤表)  232
 5.11.10 編集委員会の役割 233
 5.11.11 編集の実際,手順および方針の公開 234
 5.11.12 編集の監査と研究 234
 5.11.13 編集の質の審査 236
5.12 広告,記事体裁の広告,後援,付録,別刷および
    Eプリント 237
 5.12. 1 広 告 238
 5.12. 2 医師およびその他の健康管理専門家に向けられた
      広告の規準 239
 5.12. 3 記事体裁の広告 243
 5.12. 4 スポンサー付きの付録 244
 5.12. 5 その他の形態の資金提供 244
 5.12. 6 オンライン出版物における広告と後援 245
 5.12. 7 別刷とEプリント 247
5.13 一般と雑誌への情報の公開/報道機関と著者との関係 249
 5.13. 1 一般への情報の公開 250
 5.13. 2 オンラインで先行する情報の出版と公表 252
 5.13. 3 記事の差し止め 252
 5.13. 4 報道機関と交流する著者への提案 253
 5.13. 5 ニュースの発表 254

6 章 論文の評価および編集の進め方 259
6. 1 編集上の評価 259
 6. 1. 1 編集決定 259
 6. 1. 2 評価規準 261
 6. 1. 3 ピア・レビュー 261
 6. 1. 4 査読者の選択 262
 6. 1. 5 統計学的審査 262
 6. 1. 6 著者と査読者の身元を隠すこと 264
 6. 1. 7 訂 正 265
 6. 1. 8 rejectをアピールする 265
 6. 1. 9 出版後の審査 265
6. 2 編集の進め方 265
 6. 2. 1 原稿整理 266
 6. 2. 2 組版,ページ割り付け,ウェブコンテンツ 266
 6. 2. 3 校 正 266
 6. 2. 4 広 告 267
 6. 2. 5 号の割り付けと審査 267
 6. 2. 6 別 刷 267
 6. 2. 7 訂 正 267
 6. 2. 8 索 引 267

2 編 スタイル(文書表現の決まり)

7 章 文 法 273
7. 1 名 詞 273
 7. 1. 1 修飾語(名詞列) 273
 7. 1. 2 修飾動名詞 274
 7. 1. 3 主語と補語の一致 274
7. 2 代名詞 274
 7. 2. 1 人称代名詞 274
 7. 2. 2 関係代名詞 275
 7. 2. 3 不定代名詞 276
7. 3 動 詞 276
 7. 3. 1 態 276
 7. 3. 2 法 277
 7. 3. 3 時 制 277
 7. 3. 4 二重否定 278
 7. 3. 5 分離不定詞と動詞句 278
 7. 3. 6 短縮形 278
7. 4 修飾語 279
 7. 4. 1 修飾箇所の誤り 279
 7. 4. 2 文自体との関係の緩い動詞句(懸垂分詞) 279
7. 5 語 法 280
 7. 5. 1 同音異義語 280
 7. 5. 2 イディオム,口語的表現および俗語 280
 7. 5. 3 婉曲表現 281
 7. 5. 4 陳腐な決まり文句 281
7. 6 文の断片 281
7. 7 並列構文 281
 7. 7. 1 相関接続詞 281
 7. 7. 2 省略比較 282
 7. 7. 3 並列構文あるいは比較の場合 282
 7. 7. 4 リスト 283
7. 8 主語と動詞の一致 283
 7. 8. 1 間に現れる句 283
 7. 8. 2 単数形の誤用 283
 7. 8. 3 複数形の誤用 284
 7. 8. 4 かっこに入れる複数形 284
 7. 8. 5 集合名詞 284
 7. 8. 6 複合主語 285
 7. 8. 7 主語の数の変化とその結果生じる主語と動詞の不一致  285
 7. 8. 8 主語および述語名詞の数が異なるとき 285
 7. 8. 9 EveryとMany a 286
 7. 8.10 One of Those 286
 7. 8.11 Number 286
7. 9 段 落 286

8 章 句読法 289
8. 1 ピリオド,疑問符,感嘆符 289
 8. 1. 1 ピリオド 289
 8. 1. 2 疑問符 290
 8. 1. 3 感嘆符 291
8. 2 コンマ,セミコロン,コロン 291
 8. 2. 1 コンマ 291
 8. 2. 2 セミコロン 295
 8. 2. 3 コロン 296
8. 3 ハイフンとダッシュ 297
 8. 3. 1 ハイフン 297
 8. 3. 2 ダッシュ 304
8. 4 フォワードスラッシュ(斜線) 305
 8. 4. 1 同等性あるいは二元性を表すのに用いる場合 305
 8. 4. 2 「当たり(per)」を意味するのに用いる場合 306
 8. 4. 3 日付を表す場合 306
 8. 4. 4 方程式に用いる場合 306
 8. 4. 5 比を表す場合 307
 8. 4. 6 音声表記,詩 307
8. 5 丸かっこと角かっこ 307
 8. 5. 1 丸かっこ 307
 8. 5. 2 角かっこ 309
8. 6 引用符 310
 8. 6. 1 引用文 310
 8. 6. 2 会 話 310
 8. 6. 3 タイトル 310
 8. 6. 4 一重引用符 311
 8. 6. 5 配 置 311
 8. 6. 6 初めと終わりの引用符の省略 311
 8. 6. 7  新造語,俗語 311
 8. 6. 8 注解の引用符 312
 8. 6. 9 so-called 312
 8. 6.10 専門的な意味で用いられる一般語 312
 8. 6.11 英語以外の語句の定義あるいは翻訳 312
 8. 6.12 著作物のタイトル 312
 8. 6.13 間接話法,討論 312
 8. 6.14 ブロック引用文 312
8. 7 アポストロフィ 313
 8. 7. 1 所有を表す場合 313
 8. 7. 2 所有代名詞 313
 8. 7. 3 複合語の所有格 313
 8. 7. 4 共 有 313
 8. 7. 5 複数形を作るためにアポストロフィを用いる場合 314
 8. 7. 6 所有形容詞としての時間および通貨の単位 314
 8. 7. 7 プライム 314
8. 8 省略符号 314
 8. 8. 1 文中での省略 315
 8. 8. 2 文の終わりまたは完結した文と文の間での省略 315
 8. 8. 3 文法的に不完全な表現 315
 8. 8. 4 詩の場合の省略 315
 8. 8. 5 段落の間あるいは始めでの省略 315
 8. 8. 6 大文字表記の変化 316
 8. 8. 7 省略符号の省略 316
 8. 8. 8 表の中の省略符号 316

9 章 複数形 319
9. 1 複数形はどのようにして作るか 319
9. 2 集合名詞 319
9. 3 ラテン語およびギリシャ語を使うか英語を使うか 320
9. 4 微生物 320
9. 5 略 語 321
9. 6 記号,文字,数字および年の複数形 321
9. 7 複数形を使わないとき 321
9. 8 単数形の誤用 321

10 章 大文字にする場合 323
10. 1 文,発言,引用文,タイトル,サブタイトル,および
    表見出しの最初の文字 323
10. 2 タイトルおよび見出し 323
 10. 2. 1 医学論文のタイトル 324
 10. 2. 2 ハイフンでつながれた複合語 324
10. 3 固有名詞 325
 10. 3. 1 地 名 325
 10. 3. 2 社会文化的名称 326
 10. 3. 3 事件,授賞,法律 326
 10. 3. 4 名祖と固有名詞由来の語 327
 10. 3. 5 特許名 327
 10. 3. 6 生 物 327
 10. 3. 7 季節,神,休日 328
 10. 3. 8 検 定 328
 10. 3. 9 公式名称 328
 10. 3.10 個人の肩書きおよび学位 329
10. 4 指定する語 329
10. 5 論文の種類と節 330
10. 6 頭字語および頭文字語(頭文字略語) 330
10. 7 大文字を用いたコンピューター用語 330
10. 8 「単語の中で大文字にする」複合語 331

11 章 正しく望ましい語法 333
11. 1 一般的な語句の正しく望ましい語法 333
11. 2 余分な語句,省略できる語句,比較できない語句 352
 11. 2. 1 余分な語 352
 11. 2. 2 省略できる語および遠回しな言い方 353
 11. 2. 3 比較できない語 354
11. 3 逆成語 355
11. 4 通 語(jargon) 355
11. 5 年齢および性の記述 357
11. 6 身体の構造 357
11. 7 時計を用いた表現方法 358
11. 8 検査値 358
11. 9 冠 詞 359
11.10 包括用語 359
 11.10. 1 性/性別 359
 11.10. 2 人種/民族 361
 11.10. 3 年 齢 363
 11.10. 4 身体障害者 363
 11.10. 5 性的指向  364

12 章 英語以外の言語の語句およびアクセント 367
12. 1 英語以外の語句およびタイトル 367
 12. 1. 1 イタリック体の使用 367
 12. 1. 2 タイトルの翻訳 367
 12. 1. 3 大文字表記および句読点 367
12. 2 アクセント記号(区別的発音符) 368

13 章 医学索引 371
13. 1 索引の様式 371
 13. 1. 1 アルファベット順配列と並べ替え 371
 13. 1. 2 一貫性 373
 13. 1. 3 字順にするか語順にするか 374
 13. 1. 4 主な項目の大文字表記 374
 13. 1. 5 略 語 375
 13. 1. 6 Locators 375
 13. 1. 7 インデントにするか追い込み様式にするか 376
13. 2 索引の特徴 377
 13. 2. 1 索引の種類 377
 13. 2. 2 相互参照 377
 13. 2. 3 ジェネリック医薬品の相互参照 377
 13. 2. 4 重複記載 377
 13. 2. 5 語順倒置 378
 13. 2. 6 副項目 378
 13. 2. 7 語彙の管理 379
13. 3 定期的な索引製作 380
13. 4 統制された語彙の索引製作 380
13. 5 オンラインおよび電子索引 381

3 編 専 門 用 語

14 章 略 語 385
14. 1 学位,認証および名誉称号 385
14. 2 アメリカ合衆国の兵役および肩書き 389
 14. 2. 1 アメリカ合衆国の兵役 389
 14. 2. 2 アメリカ合衆国軍将校の肩書き(等級/階級) 389
14. 3 曜日,月,時代 390
14. 4 地方の場所名 391
14. 5 都市,州,郡,準州,領地;地方;国 393
14. 6 個人名および肩書き 397
14. 7 会社名 399
14. 8 政府機関名および団体名 399
14. 9 共同研究グループ 411
14.10 雑誌名 412
14.11 臨床,学術,およびその他の一般用語 436
14.12 測定単位 451
14.13 元素記号および化合物 456
14.14 放射性同位元素 457

15 章 命名法 459
15. 1 血液型,血小板抗原,および顆粒球抗原 464
 15. 1. 1 血液型 464
 15. 1. 2 血小板-特異抗原 470
 15. 1. 3 顆粒球抗原 471
15. 2 が ん 472
 15. 2. 1 がんの病期 472
 15. 2. 2 TNM 病期システム 473
 15. 2. 3 ベセスダシステム(Bethesda System)  475
 15. 2. 4 多発性内分泌腫瘍形成 477
 15. 2. 5 分子がん用語 477
15. 3 心臓学 479
 15. 3. 1 心電図検査用語 479
 15. 3. 2 電位図 481
 15. 3. 3 心 音 481
 15. 3. 4 心雑音 482
 15. 3. 5 頸静脈波 482
 15. 3. 6 心エコー法 482
 15. 3. 7 ペースメーカーコード 484
 15. 3. 8 埋め込み式電気除細動器/除細動器 484
 15. 3. 9 ペースメーカー誘導コード 485
 15. 3.10 心臓疾患の分類 485
 15. 3.11 冠動脈血管造影の分類 486
 15. 3.12 細胞および分子心臓学 486
15. 4 薬 物 489
 15. 4. 1 薬物開発と承認プロセス 490
 15. 4. 2 一般名 491
 15. 4. 3 特許名 492
 15. 4. 4 化学名 493
 15. 4. 5 コード名 493
 15. 4. 6 慣用名 493
 15. 4. 7 不活性化合物を含有する薬物 494
 15. 4. 8 立体異性体 495
 15. 4. 9 組み合わせ製品 496
 15. 4.10 パーセンテージを含む薬物製剤名 496
 15. 4.11 多剤療法 496
 15. 4.12 薬物の略語 497
 15. 4.13 生物学的製剤の命名法 497
 15. 4.14 ビタミンと関連化合物 502
 15. 4.15 ハーブと栄養補助食品 503
15. 5 実験装置,器具および試薬 505
15. 6 遺伝学 506
 15. 6. 1 核酸とアミノ酸 506
 15. 6. 2 ヒト遺伝子の命名法 526
 15. 6. 3  がん遺伝子とがん抑制遺伝子 547
 15. 6. 4 ヒト染色体 551
 15. 6. 5 非ヒト遺伝学用語 562
 15. 6. 6 家系図 571
15. 7 止 血 577
 15. 7. 1 第一次止血 577
 15. 7. 2 内皮因子 578
 15. 7. 3 第二次止血 579
 15. 7. 4 凝固および線維素溶解の阻害 583
15. 8 免疫学 586
 15. 8. 1 ケモカイン 586
 15. 8. 2 CD細胞マーカー 587
 15. 8. 3 補 体 589
 15. 8. 4 サイトカイン 592
 15. 8. 5 HLA /主要組織適合遺伝子複合体 595
 15. 8. 6 免疫グロブリン 601
 15. 8. 7 リンパ球 606
15. 9 アイソトープ 612
 15. 9. 1 元 素 612
 15. 9. 2 放射性医薬品 612
 15. 9. 3  認可名のない放射性医薬品化合物 613
 15. 9. 4 放射性医薬品の特許名 613
 15. 9. 5 統一標識 614
 15. 9. 6 水素アイソトープ 614
 15. 9. 7 準安定性アイソトープ 614
15.10 分子医学 614
 15.10. 1 分子の専門用語 615
 15.10. 2 分子用語:考慮すべき事項と例 616
 15.10. 3 酵素の命名法 623
15.11 神経学 624
 15.11. 1 神 経 624
 15.11. 2 脳波検査用語 626
 15.11. 3 誘発電位 629
 15.11. 4 睡眠ポリグラフィと睡眠段階 630
 15.11. 5 分子神経科学 631
15.12 産科学用語 635
 15.12. 1 GPA 635
 15.12. 2 TPAL 636
 15.12. 3 Apgar score 636
15.13 眼科学用語 637
15.14 生物と病原体 640
 15.14. 1 生物学の命名法 640
 15.14. 2 細菌:追加の用語 647
 15.14. 3 ウイルスの命名法 653
 15.14. 4 プリオン 665
15.15 精神医学用語 667
 15.15. 1 精神疾患の分類と診断の手引き(DSM) 667
 15.15. 2 その他の精神医学用語 668
15.16 肺,呼吸器および血液ガス用語 668
 15.16. 1 記 号 668
 15.16. 2 略 語 670
 15.16. 3 人工呼吸 671
15.17 放射線医学用語 671
 15.17. 1 情報源 671
 15.17. 2 用 語 672

16 章 名 祖 675
16. 1 名祖と名祖でない用語 675
16. 2 非所有格形 676

17 章 ギリシャ文字 679
17. 1 ギリシャ文字を使うかどうか 679
17. 2 ギリシャ文字の直後にくる語は大文字にする 679
17. 3 ギリシャ語のアルファベット 680
17. 4 ページの構成法と電子書式 680

4 編 測定および量の表現

18 章 測定単位 683
18. 1 SI単位 683
 18. 1. 1 基本単位 683
 18. 1. 2 派生単位 684
 18. 1. 3 接頭辞 684
18. 2 単位名と記号の表現 685
 18. 2. 1 大文字にする場合 685
 18. 2. 2 単位記号の積と商 685
18. 3 フォーマット,スタイルおよび句読法 686
 18. 3. 1 累乗の指数 686
 18. 3. 2 複数形 686
 18. 3. 3 主語と動詞の一致 686
 18. 3. 4 文頭,タイトル,サブタイトル 686
 18. 3. 5 略 語 687
 18. 3. 6 句読点 687
 18. 3. 7 ハイフン 687
 18. 3. 8 スペースの取り方 687
18. 4 単位の付いた数字の用い方 687
 18. 4. 1 量の表現 687
 18. 4. 2 小数点の書式 688
 18. 4. 3 数字のスペースの取り方 688
 18. 4. 4 数字の掛け算 688
 18. 4. 5 index 689
18. 5 JAMAとArchives雑誌での従来の単位とSI単位 689
 18. 5. 1 長さ,面積,量,質量 689
 18. 5. 2 温 度 690
 18. 5. 3 時 間 690
 18. 5. 4 視 力 690
 18. 5. 5 圧 力 690
 18. 5. 6 pH 690
 18. 5. 7 溶液と濃度 691
 18. 5. 8 エネルギー 691
 18. 5. 9 薬物の投与量 691
 18. 5.10 検査値 692
 18. 5.11 放射線 711
 18. 5.12 通 貨 711

19 章 数字とパーセンテージ 715
19. 1 数詞の使用 715
 19. 1. 1 小数点のいずれか片側にある4桁以上の数 715
 19. 1. 2 帯分数 716
 19. 1. 3 時間の単位 716
 19. 1. 4 温度の単位 716
 19. 1. 5 通貨の単位 716
19. 2 数を文字で書く場合 716
 19. 2. 1 文を始めるとき,タイトル,サブタイトル,見出し  717
 19. 2. 2 常分数 717
 19. 2. 3 代名詞として用いられるOne 717
 19. 2. 4 認められている語法 717
 19. 2. 5 序 数 718
19. 3 数字と単語を結ぶ 719
 19. 3. 1 四捨五入された大きな数字 719
 19. 3. 2 連続した数字の表現 719
19. 4 数字の範囲とハイフンの用い方 720
19. 5 列 挙 721
19. 6 数字を省略する場合 722
19. 7 数字の書式 722
 19. 7. 1 小数点 722
 19. 7. 2 パーセンテージ 722
 19. 7. 3 比率とパーセンテージの報告 723
 19. 7. 4 率と比の報告 724
 19. 7. 5 ローマ数字 724

20 章 研究計画と統計 727
20. 1 原稿:研究計画,理論的根拠および統計学的分析の発表  727
 20. 1. 1 抄録と緒言 727
 20. 1. 2 方 法 728
 20. 1. 3 結 果 729
 20. 1. 4 考察(コメント) 729
20. 2 無作為対照試験 729
 20. 2. 1 パラレルにデザインされた二重盲検試験 732
 20. 2. 2 クロスオーバー試験 732
 20. 2. 3 同等・非劣性試験 733
20. 3 観察研究 735
 20. 3. 1 コホート研究 736
 20. 3. 2 症例-対照研究 736
 20. 3. 3 症例シリーズ 737
20. 4 メタ分析 737
20. 5 費用-効率分析,費用-便益分析 738
20. 6 診断検査の研究 739
20. 7 調査研究 740
20. 8 有効数字と四捨五入 740
 20. 8. 1 有効数字 740
 20. 8. 2 四捨五入 741
20. 9 統計学用語集 741
20.10 統計記号と略語 783

21 章 数学文書 789
21. 1 原稿への指示の仕方 789
21. 2 目立たせるか追い込みにするか 789
21. 3 積み重ねるか積み重ねないか 790
21. 4 指 数 790
 21. 4. 1 分数の指数か平方根か 790
 21. 4. 2 負の指数 791
 21. 4. 3 対数表現 791
21. 5 長い公式 791
21. 6 乗除の表現 791
21. 7 よく用いられる記号 792
21. 8 印刷の体裁と大文字表記 793
21. 9 句読点 793
21.10 数学記号とスペースの取り方 794

5 編 技 術 情 報

22 章 タイポグラフィー 797
22. 1 デザインの基本要素 798
22. 2 タイプフェイス,フォント,サイズ 800
22. 3 スペースの取り方 801
 22. 3. 1 文字のスペースの取り方 801
 22. 3. 2 単語のスペースの取り方 802
 22. 3. 3 行スペースの取り方 802
22. 4 レイアウト 802
22. 5 フォントの特殊な用い方 803
 22. 5. 1 小文字 803
 22. 5. 2 大文字 803
 22. 5. 3 太 字 803
 22. 5. 4 イタリック体 804
 22. 5. 5 スモールキャップ 805

23 章 原稿整理および校正 807
23. 1 編集および校正記号 807
23. 2 校正の例 809
23. 3 電子テキストの編集 810

24 章 出版用語集 813

25 章 情報源 841
25. 1 総合辞書 841
25. 2 医学および科学辞書 841
25. 3 一般的なスタイルと語法 841
25. 4 医学/科学スタイルと語法 842
25. 5 著作物 842
25. 6 倫理および法律関連 843
25. 7 ピア・レビュー 843
25. 8 イラスト/提示データ 844
25. 9 データベース 844
25.10 ガイドライン 845
25.11 専門的科学的な著作,編集,およびコミュニケーション
    組織とグループ 846

摂食・嚥下障害を理解するための解剖

東京歯科大学解剖学の井出吉信先生の「摂食・嚥下障害を理解するための解剖」の論文:歯科学報109(3):324-330、2009、URI:http://hdl.handle.net/10130/1670をHPで見ることができます。

http://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/1670/1/109_324.pdf

解剖学の先生の論文ですので、解剖写真やイラストなど詳細に摂食・嚥下の解剖について紹介されています。詳細な解剖や生理は比較的とっつきにくいので学習を後回しにしがちですが、解剖生理をしっかり身につけることで臨床能力は確実に向上すると考えます。私も他人事ではありませんが…。おすすめの論文です。

2010年9月8日水曜日

第1 回喜界島NSTフェスティバル

9月19-20日と喜界島で第1回喜界島NSTフェスティバル(合宿)が開催されます。下記のHPでプログラムを見ることができます。

http://www.kikaitokushukai.jp/img/NST-Festival-Program2.pdf

講師が倉田先生と井上先生とは、かなり贅沢な合宿だと思います。参加者は32人でスタッフ、講師を合わせると40人強になると思われます。昨年の神奈川NST合宿とほぼ同じ規模です。

私が知る限りでNST合宿を行っているのは能登、広島、神奈川、KKR高松病院と今回の喜界島くらいです。喜界島NSTフェスティバルも神奈川NST合宿も、生みの親は能登NST合宿です。

NST合宿は集中的な学習と同時に参加者間の交流を一気に深めることができますので、とても有効な学習手段です。ただ、かなりの企画力や運営力が求められるので、一部の地域でしか開催できていないのだと考えます。企画力や運営力も磨くことができる貴重な学習機会と前向きに考えればよいのですが。

来月の16-17日には第2回神奈川NST合宿(参加申し込みは締め切っています)もありますので、NST合宿続きで楽しみです。

第2回神奈川NST合宿案内
http://www.peg.or.jp/news/information/kanagawa/101016.pdf

日本摂食・嚥下リハ学会eラーニング項目

日本摂食・嚥下リハ学会のeラーニング項目を紹介します。いくつか試用版で拝見させていただきましたが、摂食・嚥下リハに関わる方の一般教養として、この程度の内容は知っておいてほしいというレベルだと感じました。ぜひ多くの方にeラーニングで学習していただければと思います。

http://www.jsdr.or.jp/e-learning/

摂食・嚥下リハビリテーションの全体像

総論
1.リハビリテーション医学総論
2.摂食・嚥下のリハビリテーション総論

解剖・生理
3.構造(解剖)
4.機能(生理)
5.嚥下モデル:4期モデル・プロセスモデル

原因と病態
6.摂食・嚥下各期の障害
7.原因疾患:脳卒中
8.原因と病態:神経筋疾患
9.原因疾患:頭頸部腫瘍
10.加齢と摂食・嚥下機能
11.摂食・嚥下に影響する要因
12.合併症:誤嚥性肺炎・窒息・低栄養・脱水

摂食・嚥下リハビリテーションの前提

リスク回避
13.リスク回避のための基礎知識・環境整備
14.誤嚥への対処法:呼吸介助・体位ドレナージ・ハッフィング
15.窒息・嘔吐への対処法
16.リスク回避に有用な機器と使い方[作成中]

感染対策
17.感染防御総論
18.食中毒の防止

関連法規・制度
19.訓練実施に関連する医療関係法規
20.摂食・嚥下リハビリテーションに関わる診療報酬
21.摂食・嚥下リハビリテーションに関わる介護報酬

摂食・嚥下障害の評価

患者観察のポイント
22.主訴・病歴・問診
23.全身症状、局所症状

スクリーニングテスト
24.質問紙
25.摂食・嚥下障害の評価(スクリーニングテスト)
26.その他のスクリーニングテスト[作成中]

嚥下内視鏡検査
27.概要・必要物品・管理
28.検査の実際・合併症とその対策
29.正常所見と異常所見
30.小児に対する嚥下内視鏡検査の要点

嚥下造影
31.概要・必要物品・造影剤
32.検査の実際・合併症とその対策
33.嚥下造影の正常像・異常像
34.小児に対する嚥下造影検査の要点

重症度分類
35.摂食・嚥下障害臨床的重症度分類、摂食・嚥下能力グレード・摂食状態による評価

摂食・嚥下リハビリテーションの介入

口腔ケア:総論
36.口腔ケアの定義・期待される効果
37.歯・義歯・口腔粘膜の観察
38.唾液の基礎知識
39.口腔ケアの準備、歯の清掃法、必要器具・薬剤
40.舌・粘膜の清掃法、洗浄・うがい・保湿、必要器具・薬剤
41.小児の口腔ケアのポイント

間接訓練:総論
42.間接訓練の概念[作成中]
43.筋力訓練・関節可動域訓練の基礎

間接訓練:各論
44.口腔器官の訓練
45.鼻咽腔閉鎖・咽頭収縮・喉頭閉鎖訓練
46.発声・発語訓練
47.準備・口腔期に対する間接訓練
48.咽頭期に対する間接訓練:Thermal tactile stimulation/Shaker訓練
49.咽頭期に対する間接訓練:チューブ嚥下訓練・バルーン拡張法
50.呼吸および頸部・体幹に対する訓練

直接訓練:総論
51.直接訓練の概念・開始基準・中止基準
52.段階的摂食訓練の考え方[作成中]

直接訓練:各論
53.直接訓練時の環境設定
54.直接訓練で用いる嚥下誘発手技
55.体位・頸部姿勢の調整
56.直接訓練で用いる嚥下手技
57.食事場面の直接訓練

食事介助
58.食事場面の観察(中止を考えるとき、条件を守る工夫)
59.食事時の口腔内装具(義歯,PAP)
60.摂食・嚥下障害患者に対する食具・自助具、食事介助法[作成中]
61.摂食・嚥下障害患者に対する捕食から嚥下までの介助
62.認知症・高次脳機能障害があるときの食事介助

嚥下機能改善のための外科治療
63.誤嚥防止術、嚥下機能再建術[作成中]

摂食・嚥下障害患者の栄養

臨床栄養の基礎
64.5大栄養素と必要量の求め方[作成中]
65.栄養スクリーニング・栄養アセスメント
66.栄養療法の基礎
67.障害者・高齢者の栄養管理[作成中]

経管栄養法
68.経管栄養の適応・種類と特徴・合併症
69.具体的方法:経鼻経管栄養・間欠的経管栄養法・胃瘻栄養法

食物形態の調整
70.食物物性・形態
71.増粘食品の使用方法
72.嚥下調整食・調理器具

小児の摂食・嚥下障害

総論
73.小児の摂食・嚥下リハビリテーションの特殊性、障害の分類と特徴
74.摂食・嚥下の発達と障害

原因疾患
75.機能の異常
76.構造の異常

小児への対応
77.評価・介入
78.栄養管理

神奈川の摂食・嚥下の地域連携

先週の第16回日本摂食・嚥下リハ学会で、私は地域連携の発表をしてきました。このセッションでは下記のように神奈川の摂食・嚥下の地域連携の発表が4演題続いていました。それだけ、神奈川の摂食・嚥下の地域連携が進んでいることを伝えることができたのではないかと感じています。

口演 34「地域連携 2」
9月4日(土)13:00~14:00 第4会場
【座長】田中 靖代(ナーシングホーム気の里)
2-4-8 本間 久恵(口腔機能支援センターさいわい・歯科衛生士)
地域ケアを充実させるための歯科の試み ~地域中核・急性期病院の口腔管理実践を通して~
2-4-9 萩原 里枝(訪問看護リハビリステーション銀鈴の詩 訪問看護課・言語聴覚士)
神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会によるNST・嚥下連絡票の県内統一に関する試み ─第2報 連絡票運用の実際─
2-4-10 若林 秀隆(横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科・医師)
神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会による地域リハビリテーションの取り組みの現状と展望(第2報)
2-4-11 宮下 剛(医療法人社団悠心会 森田病院・言語聴覚士)
地域で行う勉強会の意義~自己研鑽から地域発信活動へ発展した勉強会の検討

確かに神奈川には摂食・嚥下の世界で有名な方がそれなりにいますし、土地が狭く人口が多い県なので、その点では地域連携は進めやすい県だと思います。ただ、それだけでは必ずしも地域連携はうまくいきません。

地域栄養ケアPEACH厚木の江頭文江さんのブログに、そのような地域連携のポイントとして「あるひと」の存在の大きさが紹介されています。プチ自慢ですが私です(笑)。

そのひとがいたからできたこと
http://peachatugi.exblog.jp/13196261/

実際には神奈川では江頭文江さんや小山珠美さんの存在が極めて大きいのですが、顔の見えるネットワーク作りを努めてきた結果、今回のような発表ができたのだと感じます。

10月2日に神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会の第2回世話人ワークショップがあります。ここでもNST・嚥下連絡票のバージョン2への改訂など、地域連携に関する内容が盛り込まれています。いつものように終了後には懇親会を行い、さらなる顔の見えるネットワークの強化をできればと考えています。

神奈川摂食・嚥下リハ研究会を立ち上げて2年半になります。一定の成果はありましたが、新たな課題もいくつか出てきていますので、世話人ワークショップなどでさらに研究会そのものをバージョンアップできればと思います。

神奈川摂食・嚥下リハ研究会のHPも見ていただけるとありがたいです。

http://kanagawaenge.web.fc2.com/

平成22年度日本摂食・嚥下リハ学会認定士試験

平成22年度日本摂食・嚥下リハ学会認定士試験の案内が下記の学会HPに掲載されています。必要書類も下記HPにあります。

http://www.jsdr.or.jp/news/news_all/news_20100902.html

実施日 平成22年12月5日(日)
時間(予定) 午前10時30分 受付開始 午後12時30分 終了
会場(予定) 名古屋国際会議場 イベントホール

受験資格は以下の3つすべてです。
1本学会会員歴が、平成22年7月31日において、2年以上であること。
2摂食・嚥下に関わる臨床または研究歴が、平成22年7月31日において、通算3年以上であること。
3日本摂食・嚥下リハ学会インターネット学習プログラム(以下eラーニングという)全課程の受講を修了していること。

eラーニングHP
http://www.jsdr.or.jp/e-learning/

すべての職種の方に受験資格があることは、とてもよいことだと思います。ただ、まだ一部のコンテンツが準備中のようです。

2010年10月24日必着締め切りです。多くの方に嚥下リハ学会認定士を目指していただきたいと思います。

2010年9月7日火曜日

気管内挿管後の嚥下障害の割合

今日は、気管内挿管後の嚥下障害の割合の系統的レビュー論文を紹介します。

Stacey A. Skoretz, et al: The Incidence of Dysphagia Following Endotracheal Intubation: A Systematic Review. Chest 2010;137;665-673

14論文のレビューですが、論文間の違いが大きいためメタ分析は行っていません。結論としては気管内挿管後の嚥下障害の割合は、3~62%とばらつきが大きいです。平均挿管時間は124.8時間(約5日)~346.6時間(約14日)でした。嚥下障害の発生割合が50%以上と高い論文では、挿管時間が長かったです。

ただし、すべての研究デザインの質はとても低く、気管内挿管後の嚥下障害の割合に関する質の高いエビデンスは存在しないとまとめています。個人的印象では3%ではあまりに低く、62%は多すぎるという感じがします。いずれにしてもすべての気管内挿管後の患者に嚥下障害を疑い、何らかのスクリーニングテストなどで評価することは必要です。

Abstract
Hospitalized patients are often at increased risk for oropharyngeal dysphagia following prolonged endotracheal intubation. Although reported incidence can be high, it varies widely. We conducted a systematic review to determine: (1) the incidence of dysphagia following endotracheal intubation, (2) the association between dysphagia and intubation time, and (3) patient characteristics associated with dysphagia. Fourteen electronic databases were searched, using keywords dysphagia , deglutition disorders , and intubation , along with manual searching of journals and grey literature. Two reviewers, blinded to each other, selected and reviewed articles at all stages according to our inclusion criteria: adult participants who underwent intubation and clinical assessment for dysphagia. Exclusion criteria were case series (n , 10), dysphagia determined by patient report, patients with tracheostomies, esophageal dysphagia, and/or diagnoses known to cause dysphagia. Critical appraisal used the Cochrane risk of bias assessment and Grading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluation tools.

A total of 1,489 citations were identifi ed, of which 288 articles were reviewed and 14 met inclusion criteria. The studies were heterogeneous in design, swallowing assessment, and study outcome; therefore, we present fi ndings descriptively. Dysphagia frequency ranged from 3% to 62% and intubation duration from 124.8 to 346.6 mean hours. The highest dysphagia frequencies (62%, 56%, and 51%) occurred following prolonged intubation and included patients across all diagnostic subtypes. All studies were limited by design and risk of bias. Overall quality of the evidence was very low. This review highlights the poor available evidence for dysphagia following intubation and hence the need for high-quality prospective trials.

栄養サポートチーム加算施設数修正

先日記載した全国の栄養サポートチーム加算施設数に一部誤りがありましたので、修正させていただきます。申し訳ありませんでした。

(誤) (正)
北海道 18 16
栃木 未記入 6 ・・・登録は9件でしたが、施設名が重なっていたため6施設が正しいと思います
群馬 未記入 17

全国 428 449

以上です。今後ともよろしくお願いいたします。

2010年9月6日月曜日

Modified MASAの論文

今日はModified MASAの論文を紹介します。新潟の日本摂食・嚥下リハ学会に参加した時にMASAのModified版があると初めて聞いたので、早速調べてみました。

Antonios N, et al: Analysis of a physician tool for evaluating dysphagia on an inpatient stroke unit: the modified Mann Assessment of Swallowing Ability. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2010 Jan;19(1):49-57.

MASA(Mann Assessment of Swallowing Ability)とは、信頼性、妥当性が検証済の嚥下機能の評価方法です。日本語訳しているところがあった記憶があります。ただし項目数が多く時間がかかることと、ST以外の職種では嚥下に詳しくないと実施できないことが欠点で、臨床でルーチンに使用するには難があると私は感じていました。

今回、より短時間で医師でも使用できるように、12項目に絞られています。実際に急性期の脳卒中患者に使用する分には問題はなかったようです。ただ、他の疾患でも同様に使用できるかどうかはわかりません。

12項目は、Alertness, Cooperation, Respiration, Expressive Dysphagia, Auditory Comprehension, Dysarthria, Saliva, Tongue Movement, Tongue Strength, Gag, Cough Reflex, Paketeです。各項目を4~5段階で評価して合計100点満点となるようにされています。

95点以上なら経口摂取を開始して段階的接触訓練可能。初回の経口摂取は要観察で飲食に問題があれば要精査。94点以下なら経口摂取を開始せずに要精査となっています。

論文を読むとこれで感度、特異度とも良好だったので、急性期脳卒中に関してはこの点数でよいです。ただ、誤嚥性肺炎やパーキンソン病など他の疾患で行ったら、ほとんどの方が94点以下で要精査となってしまうのではと推測します。

嚥下障害を定量的に評価するツールとしては、現状ではMASAが最も優れていると思います。Modified MASAが他の疾患にも問題なく使用できるようになれば、項目数も少なくなりましたし、臨床現場でより普及する可能性があると考えます。6~7項目程度で誰でも簡単に評価できて定量化できる評価法が理想的ですね。

Abstract
BACKGROUND: Although many dysphagia screening protocols have been introduced in recent years, no validated, physician-administered dysphagia screening tool exists for acute stroke that can be performed at the bedside. Based on the psychometrically validated Mann Assessment of Swallowing Ability (MASA), we developed the Modified MASA (MMASA) as a physician-administered screening tool for dysphagia in acute stroke.

OBJECTIVE: The purpose of this study was to complete initial validation of this new screening tool for dysphagia in acute ischemic stroke.

METHODS: Two stroke neurologists independently performed the MMASA on 150 patients with ischemic stroke. Speech-language pathologists performed the standard MASA on all patients. All examiners were blinded to the results of the other assessments. Interjudge reliability was evaluated between the neurologists. Validity between the screening tool (MMASA) and the clinical evaluation (MASA) was assessed with sensitivity/specificity and predictive value assessment.

RESULTS: Interobserver agreement between the neurologists using the MMASA was good (k=0.76; SE=0.082). Based on the comprehensive clinical evaluation (MASA), 36.2% of patients demonstrated dysphagia. Screening results from the neurologists (N1 and N2) identified 38% and 36.7% prevalence of dysphagia, respectively. Sensitivity (N1: 92%, N2: 87%), specificity (N1: 86.3%, N2: 84.2%), positive predictive value (N1: 79.4%, N2: 75.8%), and negative predictive value (N1: 95.3%, N2: 92%) were high between the screen and the comprehensive clinical evaluation.

CONCLUSIONS: This preliminary study suggests that the MMASA is a potentially valid and reliable physician-administered screening tool for dysphagia in acute ischemic stroke. Use of this tool may facilitate earlier identification of dysphagia in patients with stroke prompting more rapid comprehensive evaluation and intervention.

栄養サポートチーム加算施設数

8月1日付の全国都道府県別のNST加算施設数がわかりましたので紹介します。まだ1ヵ所もない県もありますが、最も多いのは大阪で27施設です。現在、全国で428施設になります。

都道府県名 件数
北海道 18
青森 4
岩手 2
宮城 11
秋田 0
山形 3
福島 2
茨城 10
千葉 24
埼玉 24
東京 24
神奈川 20
新潟 5
山梨 1
長野 12
富山 7
石川 7
福井 5
岐阜 8
三重 8
愛知 21
静岡 16
滋賀 3
京都 10
奈良 4
大阪 27
和歌山 9
兵庫 22
鳥取 1
島根 2
岡山 17
広島 11
山口 3
香川 5
徳島 2
愛媛 9
高知 4
福岡 20
佐賀 1
長崎 8
大分 6
熊本 10
宮崎 5
鹿児島 5
沖縄 12

2010年9月5日日曜日

図解で学ぶ コトラー入門

今日は、新井将能著「図解で学ぶ コトラー入門」日本能率協会マネジメントセンターを紹介します。

http://shop.jmam.co.jp/book/1242369_1453.html

コトラーといえば近代マーケティングの父として、マーケティングを少しでも学習したことがある方なら誰でも知っています。ただ、医療人の中での知名度は低いかもしれません。ちなみにドラッカーはマーケティングの祖父と言えると思います。マネジメントの要諦がマーケティングとイノベーションであることを明確にしたのがドラッカーですので。

マーケティングとは何か。コトラーの定義は「人間や社会のニーズを見極めてそれに応えること」、ドラッカーの定義は「セリング(販売)を不要にすること」と27ページに紹介されています。販売とはむしろ反対で、まだ見つかっていないニーズを見つけること、販売をより不要にすることともいえます。

マーケティングに関してコトラーの書籍を読めばよいのですが、主な書籍はいずれも600ページ以上ですのでなかなか手が出ないと思います。その点、この書籍は200ページちょっとですし内容もかなりわかりやすいので、マーケティングのことをほとんど学習したことがない方にはおすすめです。

第4章価値を創造するには、ブランド関連として、ブランドとはなにか?、ブランド・エクイティ-製品・サービスの付加価値、ブランド・エクイティをどのように確立するか?、ブランド・エクイティをどのように測定するか?、ブランド・エクイティの管理、ブランド戦略はどのように立案するのか?、ブランド・ポジショニングの設定があります。これらは商品向けに書かれていますが、パーソナルブランドにも参考にできます。

病院や診療所の経営でマーケティングが必要不可欠なことは言うまでもありませんが、個人レベルでもマーケティングの知識は一般教養と言えると思います。自分がキャリアで登る山を選択する際にもマーケティングの考え方が有用です。

目次

第1章 マーケティングの基本を理解する

第2章 顧客との関係を構築する

第3章 市場に対応する

第4章 価値を創造する

巻末付録 コトラー/マーケティング読書ガイドマップ

血中クレアチニン値とリハ栄養

昨日まで日本摂食・嚥下リハ学会に参加してきました。今回はじめて一般演題の座長を経験させていただきましたが、座長のお礼が魚沼産コシヒカリ1kgと新潟らしいもので面白いと感じました。

初日に第5回臨床栄養セミナーNST設立・運営に必要な基礎知識として、東口髙志先生の「栄養療法の基礎」という講演がありました。そこで、「血中クレアチニン値が0.5以下なら筋肉量や血中アミノ酸が少なくリハ(レジスタンストレーニングという意味だと思います)は無駄」という話がありました。これを少し補足します。

クレアチニンは筋肉へのエネルギーの供給源であるクレアチンリン酸の代謝産物です。Wikipediaによると、正常値は施設によって若干異なるが概ね以下の通りとあります。

血清Cr値:男性で0.6~1.2mg/dl、女性で0.4~1.0mg/dl

「血清Cr値が正常範囲以下であれば、多くの場合、妊娠、糖尿病の初期、長期臥床、等が示唆される。稀に筋肉量が減る病気(尿崩症、筋ジストロフィー、多発性筋炎、筋萎縮性側索硬化症、等)もある。」と紹介されています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%81%E3%83%8B%E3%83%B3

検査値としてはクレアチニン高値で腎障害を考える使い方のほうが多いですが、確かに低値も無視はできません。基本的に全身の筋肉量を反映しているので、クレアチニン低値の場合、広義のサルコペニアが疑われます。リハ栄養的にも重要な評価項目です。

ただ、血中クレアチニン値が0.5以下ならリハは無駄というのは1つの目安ではありますが、簡潔すぎるかもしれません。例えば血中クレアチニン値が0.5以下でも、検査値の推移として上昇傾向にある場合で、脱水や腎障害の存在を除外できて栄養状態改善中であれば、レジスタンストレーニングが有効な可能性が高いです。

一方、血中クレアチニン値が0.5以上でも、脱水や腎機能の改善ではなく栄養状態の悪化で、検査値の推移として低下中であれば、レジスタンストレーニングは禁忌の可能性が高いです。

リハ栄養の評価項目としての利用価値はありますし目安にはなりますが、その使い方に関しては、「0.5以上なら即レジスタンストレーニング可、0.5以下なら即レジスタンストレーニング禁忌」のような単純に白黒をつけるようなことはしないほうがよいと考えます。

神奈川摂食・嚥下リハ研究会・新聞掲載

9月3日付の朝日新聞神奈川県版に、【生きる・支える】「口で食べる」患者を支援というテーマで、東名厚木病院と神奈川摂食・嚥下リハ研究会の取り組みの記事が掲載されています。下記のHPで見ることができます。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000151009030001

ちょうど日本摂食・嚥下リハ学会で神奈川摂食・嚥下リハ研究会の取り組みの発表がありましたので、この新聞記事のことも紹介させていただきました。これを機により質の高い研究会活動にしていきたいと考えています。

新聞記事なのでやむを得ないのですが、自分の実年齢が掲載されるのは微妙な感じがしました。

2010年9月2日木曜日

関東のNST加算届出受理施設

昨日のブログで神奈川県内のNST加算届出受理施設を紹介しましたが、関東のNST加算届出受理施設数も調べましたので紹介します。現時点での施設数ですので、もちろん今後変わってくるはずです。

東京24
埼玉24
千葉24
神奈川20
群馬17
茨城10
栃木9
山梨1

NST加算に関しては、東京、埼玉、千葉が先頭を走っている状況です。個人的には関東でNSTを頑張っているのは群馬と神奈川だと思っていましたので、若干意外な結果でした。東京、埼玉、千葉のNSTスタッフの皆様、申し訳ありませんでした。

NST認定稼働施設が多くても必ずしもNST加算算定施設が多いとは限りませんね。ただ、現時点でNST加算を算定できていない施設の多くは、今後算定したいと考えているはずです。まずは専従者の確保・育成と院長・事務長の理解が鍵になると考えます。

ちなみにNST加算の算定の有無に関わらず、「栄養治療実施計画書兼報告書」やNST・嚥下連絡票を活用して地域栄養ケア連携を進めていくことは必要だと考えます。そのような流れになることを期待しています。

2010年9月1日水曜日

神奈川県内のNST加算届出受理施設

神奈川県内でNST加算を算定している施設がどのくらいあるのかずっと気になっていましたが、ようやくわかりました。7月1日現在でNST加算届出受理施設は20施設です。

「関東信越厚生局神奈川事務所」のHPで、県内の届出受理施設のPDFファイルを確認できます。そこで「栄養チ」で検索すれば、NST加算届出受理施設がわかります。下記のHPです。

http://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/gyomu/hoken_kikan/documents/shisetsu_kanagawa_ika.pdf

以下が7月1日現在の神奈川県内のNST加算届出受理施設一覧です。

聖隷横浜病院
横浜南共済病院
菊名記念病院
金沢文庫病院
東海大学医学部付属病院
相模原協同病院
横浜市立脳血管医療センター
関東労災病院
北里大学病院
神奈川県立汐見台病院
国立病院機構相模原病院
湘南厚木病院
湘南鎌倉総合病院
済生会横浜市東部病院
横須賀共済病院
横須賀市立市民病院
川崎幸病院
桜ケ丘中央病院
津久井赤十字病院
横浜旭中央総合病院

現時点ではもう少し多いかもしれません。NST加算の情報を共有して、より多くの施設でNST加算を算定できるようにしていければと考えています。

グレリンのトランスレーション研究


今日は、グレリンのトランスレーショナル研究(橋渡し研究)の論文を紹介します。

Hiroaki Ueno, Tomomi Shiiya, and Masamitsu Nakazato: Translational research of ghrelin. Ann. N.Y. Acad. Sci. 1200 (2010) 120–127. doi: 10.1111/j.1749-6632.2010.05509.x

下記のHPで全文読むことができます。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1749-6632.2010.05509.x/pdf

先日の日本臨床栄養学会で中里先生の発表を聞いて感銘を受けたので、論文を読んでみました。グレリンは食欲増進効果のある唯一の胃腸ペプチドで、炎症抑制や成長ホルモンの分泌増強などの効果もあります。そのため、飢餓、サルコペニア、悪液質への効果が期待されます。実際、臨床研究で一部の疾患に対してはすでに有用性が検証されています。今後はインシュリンのようにグレリン補充療法が用いられる時代が来ることが期待されます。

多くの胃腸ペプチドが食欲を低下させる働きを持っているということは、通常の人体(動物)にとっては食欲増進よりも食欲低下のほうが生き延びるために重要なのかもと感じます。食欲を低下させる胃腸ペプチドの分泌が減れば、グレリンを投与しなくても食欲は改善するのかもしれません。

1つ気になる点として、抄録に「cachexia caused by chronic heart failure, chronic respiratory disease, anorexia nervosa, functional dyspepsia, and cancer」とあります。Evansらの悪液質の定義では、神経性食思不振症や機能性胃腸症・機能性ディスペプシア(胃潰瘍などの器質的所見を伴わない上部消化管愁訴症例)は悪液質の原因疾患とは判断されません。

この中では慢性心不全、慢性呼吸器疾患(COPDなど)、癌のみ悪液質の原因疾患と言えると思います。いずれも食思不振を認める疾患でグレリンの効果が期待されますが、悪液質の場合とそうでない場合では効果が異なる可能性があります。

本文には抗加齢、慢性腎疾患、糖尿病性神経障害に対するグレリンの効果の記載もあります。

Abstract
Gastrointestinal peptides play important roles regulating feeding and energy homeostasis. Most gastrointestinal peptides including glucagon like peptide-1, peptide YY, amylin, and oxytomodulin are anorectic, and only ghrelin is an orexigenic peptide. Ghrelin increases appetite,modulates energy balance, suppresses inflammation, and enhances growth hormone secretion.Given its diversity of functions, ghrelin is expected be an effective therapy for lean patients with cachexia caused by chronic heart failure, chronic respiratory disease, anorexia nervosa, functional dyspepsia, and cancer. Clinical trials have demonstrated that ghrelin effectively increases lean body mass and activity in cachectic patients. Ghrelin interrupts the vicious cycle of the cachectic paradigm through its orexigenic, anabolic, and antiinflammatory effects, and ghrelin administration may improve the quality of life of cachectic patients. We discuss the significant roles of ghrelin in the pathophysiology of cachectic diseases and the possible clinical applications of ghrelin.