2010年8月3日火曜日

転倒予防とリハ栄養2

9月に家庭医療サマーフォーラムin 福島という研修会で、「家庭医ができる転倒予防を学ぼう:リハビリテーション栄養の視点から」というワークショップを行います。

http://www.fmu.ac.jp/home/comfam/documents/s.f2010iwaki.pdf

今その資料作成をしていますが、栄養も含めた包括的介入の症例検討(小グループでのディスカッション)をどう進めればよいか少し苦慮しています。

在宅リハで徐々に歩行困難となり自宅で転倒が増えたので、転倒予防の住環境整備依頼があって訪問すると160cm、27kgでした、などということは少ないので、やはり栄養以外の面も評価、介入できるようにしなければいけません。

コクランでは在宅と施設とで転倒予防のエビデンスを別々にメタ分析しています。

在宅:Gillespie LD, et al: Interventions for preventing falls in older people living in the community. Cochrane Database Syst Rev. 2009 Apr 15;(2):CD007146.

AUTHORS' CONCLUSIONS: Exercise interventions reduce risk and rate of falls. Research is needed to confirm the contexts in which multifactorial assessment and intervention, home safety interventions, vitamin D supplementation, and other interventions are effective.

施設:Cameron ID, et al:Interventions for preventing falls in older people in nursing care facilities and hospitals. Cochrane Database Syst Rev. 2010 Jan 20;(1):CD005465.

AUTHORS' CONCLUSIONS: There is evidence that multifactorial interventions reduce falls and risk of falling in hospitals and may do so in nursing care facilities. Vitamin D supplementation is effective in reducing the rate of falls in nursing care facilities. Exercise in subacute hospital settings appears effective but its effectiveness in nursing care facilities remains uncertain.

在宅と施設でエビデンスが少し異なるのが興味深いです。今回は家庭医対象ですので、在宅ケースで考えています。そうすると、質の高いエビデンスがあるのは運動介入のみということになります。実際、効果がなかったという質の高いランダム化比較試験もありますし、なかなか難しいところです。

それでもやはり包括的介入をすべきだろうなあと思っています。といっても一方で転倒予防に限度があることも理解しています。0にするよりも転倒回数を減らすことと転倒しても骨折しないことが現実的な目標ですし。

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