2010年5月24日月曜日

腎不全による誤嚥性肺炎

本日、元プロレスラーのラッシャー木村さんが、腎不全による誤嚥性肺炎で亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りいたします。

腎不全で嚥下障害や誤嚥性肺炎になるのかと思われる方がいるかもしれませんが、慢性腎不全でも誤嚥性肺炎になることはリハ栄養的には十分ありえます。急性腎不全でも全身状態が悪化し、多臓器不全になる場合には起こりえます。ラッシャー木村さんの病態に関してはまったくわかりませんが…。

慢性腎不全の場合、透析前であれば治療による低蛋白食、慢性腎不全による悪液質、低活動による廃用のために、筋肉量・筋力が低下するサルコペニアになりやすいです。サルコペニアによる嚥下障害を合併し、誤嚥性肺炎を生じることがあります。

透析導入後であれば透析による蛋白喪失、食事からの蛋白摂取量が不十分、慢性腎不全による悪液質、低活動による廃用のために、筋肉量・筋力が低下するサルコペニアになりやすいです。透析導入後は十分な蛋白摂取が必要ですが、透析前の低蛋白食に近い食事を続けてしまうことがあります。

リハ栄養的な治療は当然、適切な栄養管理とレジスタンストレーニング(嚥下筋なら頭部挙上訓練、舌筋力増強訓練)の併用になります。腎疾患では食事療法の重要性はかなり認識されていますが、運動やリハの重要性はあまり認識されていません。これを機に腎不全に対する運動やリハへの関心が高まればと思います。

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