2010年5月6日木曜日

老年医学:サルコペニア―研究の現状と臨床への応用―

「老年医学」という雑誌の今年の2月号(Vol.48No.2)で、サルコペニアが特集されています。

http://www.lifesci.co.jp/cgi-bin/search/backnumber.cgi?type=gm&status=48&no=2

下記の目次を見ていただければわかるように、サルコペニアの基礎医学から臨床医学まで幅広く取り上げられています。サルコペニアの概念を学ぶにはわかりやすいと思います。

寝たきりへの影響度としては、サルコペニアより肥満のほうが大きいという報告もあります。サルコペニック・オベシティ(Sarcopenic Obesity)の考え方のほうがより重要な可能性があります。

加齢によるサルコペニア(原発性サルコペニア)単独では寝たきりにはなりにくいと思います。しかし、原発性サルコペニアの方が脳卒中や大腿骨頚部骨折になった場合には、サルコペニアでない人よりも寝たきりになりやすいはずです。そういった意味でもやはり寝たきり予防に重要な概念だと考えます。

関心のある方はぜひご一読ください。

序文 鈴木 隆雄
総説
1. サルコペニアの操作的定義 島田 裕之
2. サルコペニアの発症と筋幹細胞および筋再生システム 橋本 有弘
各論
1. サルコペニアの分子メカニズム 町田 修一
2. サルコペニアと液性因子 赤水 尚史
3. サルコペニアによる機能障害とその予防 古名 丈人
4. サルコペニアと運動器不安定症 星野 雄一
5. 高齢者におけるサルコペニア発生の現状と関連要因 金 憲経
6. サルコペニア予防のエビデンス―レジスタンストレーニングを中心として― 大藏 倫博
7. サルコペニア予防のための運動プログラム 石井 直方
8. 日常身体活動とサルコペニア 朴 眩泰
9. サルコペニア予防・改善のためのアミノ酸栄養 小林 久峰
10. サルコペニアに対する臨床的アプローチ 原田 敦
Topics
1. 遺伝子多型とサルコペニア 三上 恵里
2. 高齢者の骨格筋の形態と機能 川上 泰雄
3. 運動学習能力の加齢変化 野崎 大地
4. 日常生活活動に必要な筋力の基準値 山﨑 裕司
座談会 サルコペニア―研究の現状と臨床への応用―
鈴木 隆雄
島田 裕之
原田 敦
井藤 英喜

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